最新記事
台湾

台湾人の88%が有事に備え...軍事侵攻だけでなく浸透工作・認知戦への危機感

KEEP CALM AND CARRY ON

2025年8月27日(水)10時53分
近藤弥生子(在台湾、ノンフィクションライター)
台湾市民の88%が有事準備...軍事侵攻だけでなく浸透工作・認知戦への危機感

台湾の軍事演習で避難訓練に参加する市民(7月10日、台北のスーパー) DANIEL CENGーANADOLU/GETTY IMAGES

<筆者独自のアンケート調査で、台湾社会に広がる有事への危機感が浮き彫りに。防衛講座の受講や避難計画の確認など、生活レベルでの備えが急速に進む一方、台湾からは日本に対する警鐘も>

台湾有事の警戒感は社会でどの程度高まっているのか。その手掛かりを探すため、筆者は個人的にオンラインアンケートを実施した。2025年6月19〜26日の1週間に台湾市民から寄せられた回答は1560件。「中国との開戦危機が高まっていると感じるか」という質問に対し、88.9%が「以前より高まっている」と回答した。「以前と変わらない」と答えたのは8.6%だった。

また、万が一戦争が起きたときのために準備をしているとした回答者は88%で、主に避難場所の確認、物資の準備、防災知識や応急処置など訓練への参加を挙げる人が大半だった。中でも「黒熊学院」という台湾最大の民間防衛教育組織の授業を受けたという回答が突出して多かった。


台湾では、蔡英文(ツァイ・インウェン)前総統在任中の2022年、18〜36歳の男性に課される兵役義務を4カ月から1年間に延長することが定められ、2024年1月から適用が始まった。

「黒熊学院」は、兵役義務のある若い男性だけではなく、年齢やジェンダーも多様な全国民が防衛知識を持ち、防衛力を高めることが必要だと訴える専門家らによって2021年5月に設立された。

主に「戦争の認識」「情報と認知戦」「衛生と基礎救護」「避難準備計画」の4領域におけるリアルとオンライン講座を開催しており、3年間で10万人以上が受講した。受講者の年齢は2~88歳と幅広く、うち65%が女性で、特に子供や家族を連れて参加することも多いという。

メンバーシップ無料
ニューズウィーク日本版メンバーシップ登録
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

レバノン各地でイスラエルの空爆、首都中心部で少なく

ワールド

カブールのリハビリ施設爆撃、死者数は143人=国連

ビジネス

テンセント、第4四半期は13%増収 ゲームとAIが

ビジネス

春闘に「手応え」、中小の賃上げ持続には適切な価格転
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 2
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 3
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 4
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 5
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 6
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 7
    モジタバの最高指導者就任は国民への「最大の侮辱」.…
  • 8
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 9
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 10
    「危険な距離まで...」豪ヘリに中国海軍ヘリが異常接…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 3
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 4
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 5
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 10
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中