最新記事
ウクライナ戦争

米ロ首脳会談でロシア有利に働くかも...ウクライナ人の「戦争の終わり方」の考えが変わった

Ukrainians Have Changed Their Minds on Ending War

2025年8月14日(木)17時50分
ブレンダン・コール

ロシアが譲歩する可能性も

戦争継続ではなく交渉による停戦を望む声が高まっているという世論調査の結果は、8月15日に米アラスカ州で行われる米ロ首脳会談において、ゼレンスキーが不在であることと相まって、情勢の緊迫度を高める要因となっている。

この首脳会談は、ウクライナの 前線での戦闘が激しさを増し、ロシアがウクライナのインフラを標的としたドローンやミサイル攻撃を続けている中で行われることとなる。


交渉の焦点は、「停戦と引き換えに領土を譲る」ことが合意に含まれるかどうかだ。ゼレンスキーは、領土の譲渡がウクライナ憲法に反していると反発。ロシア軍が部分的にしか支配していない地域をプーチンに譲ることになると、否定的な立場を示した。

しかし、ウクライナの地政学アナリストであるビクトル・コバレンコは「一部の東部領土がロシアの支配下に置かれたままでも、正式な承認がなければ、ウクライナ憲法にもゼレンスキーの政治的立場にも抵触しない」と本誌に語り、ウクライナ国内から湧き上がるであろう抗議を回避できる余地があると主張する。

また、トランプが8月上旬にアゼルバイジャンとアルメニアの紛争を解決するにあたり、のアゼルバイジャンのナゴルノカラバフ占領を合意に含めなかったことを例に挙げ、ウクライナにも同様の合意が成立する可能性があると指摘した。

「アメリカがクリミア、ドンバス、ルハンスクをロシアの一部として正式に承認するか、誰にもわからない」

一方、ロシアの出方については、「プーチンは、アメリカによるBRICSのインドとブラジルに対する制裁により存亡の危機にある。ロシアの崩壊を避けるべく、要求の一部を放棄する可能性はある」と、ロシアによる譲歩の可能性を指摘した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

インド、2月の貿易赤字縮小 中東緊迫で供給懸念も

ワールド

セネガル・ガーナの反LGBT運動、米団体が支援

ワールド

EU外相、ホルムズ海峡封鎖打開へ「黒海モデル」提案

ビジネス

伊ウニクレディト、独コメルツ銀の30%超取得へ公開
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目のやり場に困る」衣装...「これはオシャレなの?」
  • 3
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングアップは「2セット」でいいのか?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 6
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 7
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    ぜんぜん身体を隠せてない! 米セレブ、「細いロープ…
  • 10
    50代から急増!? 「老け込む人」に共通する体の異変【…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中