最新記事
ウクライナ戦争

米ロ首脳会談でロシア有利に働くかも...ウクライナ人の「戦争の終わり方」の考えが変わった

Ukrainians Have Changed Their Minds on Ending War

2025年8月14日(木)17時50分
ブレンダン・コール
ハルキウ南部の軍事墓地、アレヤ・スラービー

ハルキウ南部の軍事墓地、アレヤ・スラービー Jose HERNANDEZ Camera 51-shutterstock

<開戦当初は「勝利まで戦い抜く」と答えたウクライナ人が圧倒的多数だったが...>

米ギャラップ社の世論調査によると、ウクライナ人の多くが、ロシアとの戦争継続ではなく、大多数が交渉による戦争終結を望んでいる。一方、「勝利まで戦い抜く」という姿勢への支持は、開戦時と比べて大幅に減少しているようだ。

これは、ウクライナ戦争が始まった2022年当時の状況とは逆転している。開戦当初は大半がウクライナの「勝利まで戦い抜く」ことを支持していた。早期の交渉による終結を望む声をあげる者の割合は、5人に1人にすぎなかった。

本誌はウクライナ大統領府にコメントを求めている。


ギャラップは、2022年2月にロシアの全面侵攻が始まってから3年半の間、4回にわたりウクライナ人を対象とした世論調査を実施してきた。2025年7月1日から14日にかけて1000人を対象に行われた最新の調査では、ウクライナ人の69%が「できるだけ早期の交渉による戦争終結」を支持したと報告している。

ギャラップのビガーズ上級国際ニュースライターは上記の結果について、2024年の52%から17ポイント増加していることに触れ、世論の変化は大きいと本誌に語った。

「2023年以降、ウクライナ国民のロシアとの戦争に対する感情に大きな変化が見られる。世論は『ほぼ完全に逆転した』」
実際、2022年に行われた調査では、交渉による戦争終結を支持するウクライナ人はわずか22%であり、73%が「勝利まで戦うべきだ」としていた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米ロ首脳、日本時間16日午前4時30分から会談 終

ビジネス

米企業、債務拡大へ信用契約の柔軟化要求 ムーディー

ワールド

プーチン氏、米はウクライナ和平で「誠実な努力」 核

ワールド

ノルウェー中銀、政策金利据え置き 年内の利下げ視野
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が教える「長女症候群」からの抜け出し方
  • 3
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ「衝撃の物体」にSNS震撼、13歳の娘は答えを知っていた
  • 4
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 5
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 6
    【クイズ】アメリカで最も「盗まれた車種」が判明...…
  • 7
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 8
    マスクの7年越しの夢...テスラ初の「近未来ダイナー…
  • 9
    「ホラー映画かと...」父親のアレを顔に塗って寝てし…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 5
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 6
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 7
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 8
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 9
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 10
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 9
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中