トランプが計画する、南コーカサスの「トランプ・ブリッジ」とは? ロシアやイランは戦々恐々
How 'Trump Bridge' May Soon Reshape Warzone Bordering Russia, Iran, Turkey
トルコにとってアメリカの提案はありがたい
ロシアとイランには、対ロ制裁を回避する形でインドからロシアまでの鉄道ルートを築く「国際南北輸送回廊」という計画が存在する。
「トランプ・ブリッジ」はアルメニアとイランの国境近くに建設される可能性があるため、ロシアとイランの計画が妨げられる。
ICGのクチェラ上級アナリストは「イランとロシアはいずれも、特に安全保障面でアメリカを警戒している。国際南北輸送回廊はイラン国境沿いを通るため、アメリカの提案には特に敏感になっているのだ」と述べた。
トルコについては「アルメニアとアゼルバイジャンを経由して、さらに東の国や地域へのアクセスを改善することを熱望している」と分析している。
アルメニアの地域民主・安全保障センターのグリゴリアンも、トルコがすでに同国北東部に位置する都市カルスとナヒチェバンを結ぶインフラ整備を始めていることに触れ、「トルコは南コーカサス周辺の大国の中で唯一、アメリカの提案を歓迎するだろう」と指摘した。
イランはこの連絡路が断たれる恐れのある措置には反対するだろうとも述べた。
「国際南北輸送回廊はイランとアルメニアの国境沿いに位置している。そのため、イランはアルメニアの弱体化が、イラン北部国境およびアルメニア経由で欧州へ至る南北輸送回廊の双方に対する直接的な脅威になると考えている」