35人超の死者と25万人の避難民──タイ・カンボジア和平の行方を握るのはASEANか米中か?
Beyond the Ceasefire
2025年8月6日(水)13時01分
今回の停戦が注目に値するのは、平和を形作る「影響力の構造」の現実が露呈したからだ。米中は東南アジアで存在感を示している。一方は怒鳴り、もう一方はささやく。一方は取引を提案し、もう一方は枠組みを提供する。その両方が計算し待ち構えている。
マレーシアが実証したように、ASEANは単なる傍観者を超えた存在になれる。ただし、重要な問いが残る。ASEANは地域内の紛争を自分たちで解決できるのか。それとも、地域的対立を解消できるのはもはや、アメリカや中国の鶴の一声だけなのか。

アマゾンに飛びます
2025年8月12日/19日号(8月5日発売)は「Newsweek Exclusive 昭和100年」特集。現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら