ロシア軍がウクライナ東部ドネツク州に攻勢強化──戦線の補給路ポクロフスクに迫る脅威

ポクロフスクの住民に退避を命じるウクライナ警察 ANATOLII STEPANOVーREUTERS
<ロシアが包囲を完成させれば、ウクライナ軍の防衛線に大きな亀裂が生じ、ドニプロ方面への進軍も視野に入る可能性がある>
ロシアがウクライナ東部ドネツク州の重要な物流拠点であるポクロフスクで攻勢を強めている。ポクロフスクは、24年2月にロシアに制圧されたアブディイフカの西側に位置する都市で、戦争が始まるまで6万人が暮らしていた。
もしポクロフスクがロシアに陥落すれば補給路が断たれ、ロシア軍がドニプロ方面に進軍する可能性が出てくる。
ロシア軍の歩兵部隊がポクロフスクに侵攻したのは7月17日。アメリカのシンクタンク、戦争研究所(ISW)によれば、ロシアは市の北東部に進軍しており、南部から都市を包囲する計画だという。
これにウクライナ軍も猛反撃。「挟み撃ち」を目指すロシア部隊の距離はまだ20キロほど離れており直ちに包囲される脅威はないと、軍事アナリストのエミル・カステヘルミは本誌に語った。しかし、ロシアのドローン攻撃により補給線が脅かされており、「東側の防衛線を維持できない場合、状況は急激に悪化する可能性がある」という。