スカイツリーが「追いかけてくる」? 東京で観光客を惑わせた視差効果の正体とは
Woman Perplexed by Optical Illusion on Tokyo Street: 'Glitch in the Matrix'
この動画が捉えた錯視現象は「視差効果」と呼ばれる。アメリカ航空宇宙局(NASA)は「視点が変わると、近くの物体の位置が遠くの物体に対してずれて見える現象」と解説している。
「親指を立てて腕を伸ばし、片目を閉じて、窓や壁や樹木など、距離の違う(背景の)物体に対する親指の位置を観察する」
「今度はもう片方の目で親指を観察する。気づいたことは? 次に親指を自分の顔に近づけて実験を繰り返す。今回の違いは? これを視差効果という」(NASAのウェブサイトより)
2013年11月のRadioGraphicsに掲載された研究では、視差効果について「主に感覚や知覚を処理する人間の視覚の仕組みによって生じる現実の歪み、変化、あるいは違った見え方」と解説していた。
視差効果のような画像形成の錯覚は、「画像がどのように生成されるか」に起因するという。例えばあいまいな形やゆがみといった知覚の錯覚は、脳の「高次」機能で発生する。「感覚器官から入った情報を、心の中で解釈したイメージと融合させる」現象はここで起きる。
東京スカイツリーは高さ634メートルと日本一高い構造物。TikTokの動画の女性がどこへ行っても高くそびえて見えたことに不思議はない。
日本政府観光局(JNTO)によると、4月の訪日客は390万人を超え、単月で過去最高を記録した。
(翻訳:鈴木聖子)