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移民問題

ゴミ、糞便、病原菌、死体、犯罪組織...米政権の「密入国放置」が生んだ巨大な地獄絵図

‘Help Us To Clean Up the Mess’

2025年6月11日(水)14時00分
ヘスス・メサ(本誌英語版エディター)

米政府の資金は届かず

ダリエン地峡で暮らすエンベラ族などの先住民は、密入国者の大量流入により、自分たちの生活が破壊されつつあると主張してきた。パナマ政府の推計によると、密入国者が残したゴミは計2500トン以上に上る。「太古からの森林と手付かずの河川が汚されてしまった。プラスチックゴミ、汚物、さらには死体まで残されている」と、ナバロは言う。

昨年8月に実施された水質検査では、この地域の主たる水源であるトルケサ川の水から危険なレベルの糞便性大腸菌が検出された。この川は、地元の先住民たちが食べる魚の生息地でもある。


バイデン政権は環境浄化のために300万ドルの資金を拠出すると約束していたと、ナバロは説明する。「その言葉は嘘だった。まだいっさい資金を受け取っていない」

ナバロによると、北を目指す密入国者が通過するルートを浄化するだけでも約1200万ドルが必要だ。その費用はもっぱらパナマ国民が負担している。パナマの勤労者は平均すると、1人当たり1日40ドルを負担している計算だ。

ホワイトハウスのアビゲイル・ジャクソン副報道官は、本誌にこう述べている。

「ジョー・バイデン(前大統領)のお粗末な国境開放政策により、歴史に残るグローバルな人道危機が発生した。世界中の国々がまだそのダメージから脱却できていない。トランプ大統領がバイデンの尻拭いをしたことに、アメリカ国民と世界中の人々が感謝している。ダリエン地峡を通って国境を越える人の数は99.9%減った」

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