最新記事
要衝

【マップ】アメリカはパナマ運河だけでなく「一帯一路」を買おうとした

Mapped: Global Ports China Could Lose to US After Panama Deal

2025年4月2日(水)15時42分
マイカ・マッカートニー、ディディ・キルシュテン・タトロウ
パナマ運河の太平洋側の玄関口、バルボア港

パナマ運河の太平洋側の玄関口、バルボア港  REUTERS/Enea Lebrun

<香港の大富豪・李嘉誠が率いるCKハチソンは、パナマ運河の港湾を含む世界43カ所の施設を米コンソーシアムに売却することで合意した。中国が激怒し、ハチソンに圧力をかけて取引を潰そうとしている理由は、地図を見れば一目瞭然だ>

香港を拠点とする多国籍コングロマリット、CKハチソン・ホールディングス(長江和気実)が、米国系コンソーシアムへの国際港湾事業の売却を計画していることが、中国政府の強い反発を招いている。売却対象には、パナマ運河の両端に位置する港も含まれており、戦略的インフラの喪失を懸念する声が上がる中、取引は危機に瀕している。

本誌が作成した地図によると、売却対象となる施設は43カ所に及び、中国がこの売却を地政学的影響力の喪失と見なし、経済圏構想「一帯一路」への深刻な打撃と捉えていると指摘する専門家がいるのも頷ける。

【マップ】CKハチソンが売却に合意した施設
newsweekjp20250402060526-3c14725a5cd86cbc3f3544fa6a8b6d753cccd7d0.png

CKハチソンは3月初旬、約228億ドル相当の港湾事業の大半を米資産運用大手ブラックロックを含むコンソーシアム売却することで合意した。売却資産の中には、世界の海上貨物の約5%が通過する戦略的要衝、パナマ運河の両端のターミナルが含まれている。

アメリカのドナルド・トランプ大統領は「中国がパナマ運河を支配している」と主張し、中国とパナマは否定している。トランプはまた、パナマ政府がアメリカの船舶に対して不当に高額の通行料を課していると非難していた。

編集部よりお知らせ
ニューズウィーク日本版「SDGsアワード2025」
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

石破首相、自動車業界と意見交換 感謝の一方でさらな

ワールド

マレーシア製品への新たな米関税率、8月1日発表=首

ビジネス

中国、エヌビディア「H20」のセキュリティーリスク

ワールド

キーウ空爆で6人死亡、6歳男児と母親も 82人負傷
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから送られてきた「悪夢の光景」に女性戦慄 「這いずり回る姿に衝撃...」
  • 3
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目にした「驚きの光景」にSNSでは爆笑と共感の嵐
  • 4
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 5
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 6
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 7
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 8
    M8.8の巨大地震、カムチャツカ沖で発生...1952年以来…
  • 9
    街中に濁流がなだれ込む...30人以上の死者を出した中…
  • 10
    「自衛しなさすぎ...」iPhone利用者は「詐欺に引っか…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 8
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 9
    「様子がおかしい...」ホテルの窓から見える「不安す…
  • 10
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 7
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中