ニュース速報
ビジネス

ハチソンの港湾売却計画、親中紙が再考促す全面記事 延期観測で株急落

2025年03月31日(月)17時59分

3月31日、香港の複合企業CKハチソン・ホールディングス(長江和記実業)がパナマ運河の重要港湾の運営権を米企業連合に売却する計画について、親中派の香港紙がCKハチソンに売却の再考を促し、中国当局による調査を支持する、香港政界や中国法曹界の声を含む全面記事を掲載した。写真はパナマのバルボア港で4日撮影(2025年 ロイター/Enea Lebrun)

[香港 31日 ロイター] - 香港の複合企業CKハチソン・ホールディングス(長江和記実業)がパナマ運河の重要港湾の運営権を米企業連合に売却する計画について、親中派の香港紙が31日、CKハチソンに売却の再考を促し、中国当局による調査を支持する、香港政界や中国法曹界の声を含む全面記事を掲載した。4月2日までに予定されている合意締結が延期される見通しとの関係者情報も伝わり、31日の香港株式市場でCKハチソン株は急落した。

この計画は、中国国営メディアも批判し、中国の市場規制当局は、独禁法に則って調査する方針を示すなど政治色を帯びてきている。

親中派の香港紙、大公報の全面記事によると、中国の法律事務所、康達律師事務所のシニアパートナーは、中国当局は独禁法以外にも、国家安全保障やデータセキュリティー関連の法律に基づき港湾システムデータに対するセキュリティーリスクを売却計画を評価する可能性を指摘した。

関係筋によると、合意の締結は遅れるが中止になったわけではないという。

JPモルガンはアナリストリポートで「地政学的な影響の高まりにより遅延が生じても驚きはない。CKハチソンは7月27日に予定する取引完了までに、さまざまな利害関係者との対立の解決に努めるだろう」とし、取引完了が先延ばしされても驚きはないと述べた。

一方、CKハチソンは31日、通信事業の分離上場に関する一部観測報道について、決定した事実はないと述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

見通し実現なら経済・物価の改善に応じ利上げと日銀総

ワールド

ハリス氏が退任後初の大規模演説、「人為的な経済危機

ビジネス

日経平均は6日続伸、日銀決定会合後の円安を好感

ワールド

韓国最高裁、李在明氏の無罪判決破棄 大統領選出馬資
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    フラワームーン、みずがめ座η流星群、数々の惑星...2…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中