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移民問題

ゴミ、糞便、病原菌、死体、犯罪組織...米政権の「密入国放置」が生んだ巨大な地獄絵図

‘Help Us To Clean Up the Mess’

2025年6月11日(水)14時00分
ヘスス・メサ(本誌英語版エディター)

もう1つの不安の種とは

実際、国境を越える人の数は大幅に減っている。パナマの国家移民局によると、24年にダリエン地峡を通過した移民は30万2203人。52万85人だった23年と比べて42%減少したことになる。




この人数は、今年1月にトランプが大統領に返り咲いて以降、さらに減っている可能性が高い。米政府によると、今年4月にアメリカの南部国境で逮捕された不法入国者は8383人。昨年4月は12万8895人だった。



「最初に行動したのはパナマだった。私たちは、わが国の主権と森林を守るために難しい決断を下した」と、ナバロは説明する。「その後、トランプの勝利がさらなる後押しになった格好だ」

パナマ政府は近隣諸国の協力も求めている。「この問題は、アメリカとパナマと全ての近隣諸国が一丸となって対応すべきものだ」と、ナバロは主張する。

一方、パナマ政府にとって目下のもう1つの大きな懸念材料が、国家の収益の柱であるパナマ運河を取り巻く状況だ。23年には歴史的な干ばつにより水位が大幅に低下し、運河の通航量を制限せざるを得なくなった。それに伴い、パナマ政府の収入は10億ドル近く減ったという。

「パナマのように気候変動問題に責任のない国が気候変動のダメージを被っているのは、皮肉であり、悲劇であり、不公正であり、非道徳的なことだ」と、ナバロは言う。

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