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韓国大統領選

新大統領の李在明も強権化するのか...韓国を蝕む「強いリーダー症候群」の正体

BEYOND THE STRONGMAN

2025年6月4日(水)09時45分
ナヒ・カン(キングズ・カレッジ・ロンドン上級講師)、カヒ・チョ(シェフィールド大学講師)

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元検察総長から大統領に転じた尹錫悦も強権志向だった SOUTH KOREAN PRESIDENTIAL OFFICE/GETTY IMAGES

トランプのアメリカの場合、2つのグループによる意外な政治的連合が生まれている。三権分立における行政は大統領府のみが握る(ひどい場合は司法と立法も大統領府の下に置かれる)という「単一行政理論」の支持者と、自国の経済や文化の変化に不満を抱くグループだ。

後者のうち、経済に不満を持つグループは、トランプの側近となった大富豪の起業家イーロン・マスクに代表される経済的自由主義者で、テクノクラートによる規制に反発する。文化的な変化に不満を抱くグループは、J・D・バンス副大統領に代表されるキリスト教ナショナリストで、多様性、公平性、包摂性(DEI)推進策を実践する大学や企業への助成カットをちらつかせる。


単一行政理論に関していえば、韓国にもその支持者はいる。北朝鮮という脅威が常に隣り合わせにある以上、大統領府は強大な権限を持つべきだというのだ。米中の対立が悪化して、朝鮮半島の緊張が高まっている今はなおさらだ。

さらに韓国でも、経済と文化の変化に対して大きな不満が存在する。

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