「過去最高の税収増」の皮肉...トランプ関税が米雇用を減らし低所得者をさいなむ現実
トランプ関税はそもそも法律上問題がある?
「アメリカの産業構造は、昔とはすっかり変わった。重工業はほとんど国外に流出し、それとともに、中流層向けの、高給で労働組合に守られた職も大幅に減った。それが大きな怒りを生んでいる」と、ジョージ・ワシントン大学のトッド・ベルト教授は言う。
「トランプはそうした雇用を取り戻すと約束していて、そのための手段が関税だという。私は現実的でないと思うが」
トランプ関税には法律上の問題もある。米国際貿易裁判所は5月28日、トランプが国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に導入した関税を無効と判断した。ただしその翌日、ワシントンの連邦巡回控訴裁判所(高裁)は、高裁審理が終わるまで、国際貿易裁判所の判決を一時停止するものとした。
この問題の決着は、連邦最高裁判所の判断を待つことになるのかもしれない。