最新記事
トランプ関税

トランプ関税復活へ、米連邦巡回控訴裁判所が判断...関税の延期に慣れきった市場は大きな反応を示さず

2025年5月30日(金)10時40分
米連邦巡回控訴裁判所は29日、トランプ大統領の広範な関税を復活させる判断を下した。23日撮影

米連邦巡回控訴裁判所は29日、トランプ大統領の広範な関税を復活させる判断を下した。23日撮影(2025年 ロイター/Nathan Howard)

米連邦巡回控訴裁判所は29日、トランプ大統領の広範な関税を復活させる判断を下した。

控訴裁は意見や理由を示さなかったが、原告らには6月5日までに、行政には6月9日までに回答するよう指示した。

米国際貿易裁判所は28日、トランプ大統領が発動した一連の関税の大部分を差し止めていた。これを受け株価は上昇していたが、今回の控訴裁の判断で市場は明確な方向感を失う展開となった。

米株式市場は控訴裁の判断に大きな反応を示さなかった。市場は、トランプ氏が大規模な関税を発表してはすぐに延期するというパターンに慣れてしまっており、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は「TACO(Trump Always Chickens Out=トランプ氏はいつも尻込みする)」という略語までつくった。

記者から「TACO」という造語への感想を求められたトランプ氏は28日、その質問は「意地悪だ」とし「それは交渉と呼ばれるものだ」と関税の変更を擁護した。

50パーク・インベストメンツ(ニューヨーク)のアダム・サルハン最高経営責任者(CEO)は「トランプ氏はすでにこうした関税の大半を緩和しているので、裁判所の判決は単なるニュースの見出しに過ぎない」とし「個人的には、市場が暴落しない限り、このニュースは二次的な副産物に過ぎない」と述べた。

29日の米国株式市場は小幅に上昇して取引を終えた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 日本人と参政党
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年10月21日号(10月15日発売)は「日本人と参政党」特集。怒れる日本が生んだ参政党現象の源泉にルポで迫る。[PLUS]神谷宗幣インタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


投資
「FXで長期投資」という投資の新たな選択肢 トライオートFX「世界通貨セレクト」とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

パキスタンとアフガン、即時停戦に合意

ワールド

台湾国民党、新主席に鄭麗文氏 防衛費増額に反対

ビジネス

テスラ・ネットフリックス決算やCPIに注目=今週の

ワールド

米財務長官、中国副首相とマレーシアで会談へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心呼ばない訳
  • 4
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 5
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 6
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「リンゴの生産量」が多い国…
  • 8
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 9
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中