イスラエル主導「ガザ人道財団(GHF)」の援助物資配給はハマスあぶり出しと強制移住のための罠か

US- and Israel-Backed Gaza Aid Scheme Reportedly 'Being Used to Detain Civilians'

2025年5月28日(水)20時48分
ジュリア・コンリー

アンドレスは、「ワールド・セントラル・キッチンのスタイルが鍵だ」と述べる。「パレスチナ人が、パレスチナ人に食料を提供するのだ」

GHFとイスラエルは、パレスチナ人が配給所に到達するのをハマスが阻止しようとしたと主張したが、証拠はない。

ハマスが運営するガザ当局系メディアのディレクター、イスマイル・アルタワブタはロイターに対し、「援助物資の配給プロセスの遅れと崩壊の真の原因は、GHFが引き起こした混乱だ」と語った。

「そのため、飢餓に苦しむ何千人もの人々が、包囲と飢餓の重圧の中で、配給所に殺到して食料を奪い合い、その間にイスラエル軍の発砲があった」とアルタワブタは述べた。

GHFの運営初日が大混乱に陥ったのは、GHFの代表を務めていたジェイク・ウッドが辞任した2日後のことだった。ウッドは、GHFの援助配布計画が、基本的な「人道の原則」に反すると批判していた。

アメリカに本拠を置き、パレスチナ占領に反対する進歩的なユダヤ人団体「平和のためのユダヤ人の声」(JVP)によると、飢餓に苦しむパレスチナ人たちは、アル=マワシ近郊の配給地点まで、平均15キロを歩いて行かざるを得ないという。

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