トランプの法を無視した移民排斥を最高裁が容認...数十万人の一時保護が即座に剝奪、巨額の罰金も
Trump Ramps Up Attacks on the System
この判断を受けて、即時送還の瀬戸際にあったベネズエラ人男性らがトランプ政権に対し、敵性外国人法に基づく国外退去命令の差し止めを求めて提訴。最高裁は即座に簡素な命令を発して送還を一時的に停止させた上で、5月16日に全面的な送還停止の判断を下した。
この判決は、合衆国憲法修正第5条で、移民には国外退去の際に適正手続きを経る権利が認められていると指摘。「弁護士に連絡し、申し立てを行い、適切な救済措置を追求できるよう、合理的な範囲で十分な時間と情報を与えられなければならない」とした。
この判決が出るまでは、エルサルバドルに送還される移民の元に送還通知が届くのは出国の24時間前だった。しかも、通知には「送還に異議を申し立てるための適正手続権を行使する方法」に関する情報は含まれていなかった。それゆえ修正第5条に違反していると、最高裁は指摘した。
巨額の罰金がのしかかる
最高裁は多数意見として、移民に与えられるべき適正手続きの詳細の判断は下級審に委ねたが、米政府の現行の運用が憲法の定める基準から懸け離れているとも明確に指摘した。敵性外国人法が、犯罪組織の一員とされる人物の送還にも適用できるかという広範な論点については判断を示さなかったが、ブレット・カバノー判事は最高裁が迅速にこの問題に取り組むべきだと主張した。