トランプの法を無視した移民排斥を最高裁が容認...数十万人の一時保護が即座に剝奪、巨額の罰金も
Trump Ramps Up Attacks on the System
もう1点、罰金も新たな争点に浮上している。トランプ政権は永住資格を持たない移民に対し、強制送還命令に従わずにアメリカ国内にとどまっていることを理由に罰金を科す措置を、1期目に続いて再び導入した。これまでに4500人以上が罰金の通知を受けており、その額は計5億ドルを超えるという。
実際、移民・国籍法では、国外退去命令に従わない移民に移民関税執行局(ICE)が罰金を科す権限が認められてはいる。だが、その上限は1日当たり500ドルだ。
また、トランプは確かに、永住資格を持たない者から「罰金および制裁金」を徴収するよう国土安全保障省に命じる大統領令を出した。だが同省が強制退去に応じない移民に請求すると発表した罰金の額は、1日当たり998ドルに上っている。
従来は、連邦政府が実際にこの罰金制度を適用することはまずなかった。だがニューヨークを拠点とする移民問題専門の弁護士によれば、アメリカ在住歴25年間のクライアントが180万ドル(約2億6000万円)もの罰金を科されたという。「最初は偽物かと思った。こんな法外の罰金の通知が届くなんて初めての経験だ」
フロリダ州在住のマリアも180万ドルの罰金を科され、「不安でいっぱいだ。眠れないし何も感じられない」と語る。彼女は20年前からアメリカで暮らしており、3人の子供は米国籍。弁護士は罰金への異議申し立てを行う予定だ。