最新記事
難民問題

トランプの法を無視した移民排斥を最高裁が容認...数十万人の一時保護が即座に剝奪、巨額の罰金も

Trump Ramps Up Attacks on the System

2025年5月28日(水)18時40分
シーリーン・アリ
国外追放となり移民関税執行局のチャーター機に乗り込む人々(4月、シアトル)

国外追放となり移民関税執行局のチャーター機に乗り込む人々(4月、シアトル) DAVID RYDER/GETTY IMAGES

<あらゆる手段で数十万人を強制出国させるトランプ。「法の番人」の最高裁すら止められない不透明な移民排斥政策は合法的に移民してきた人々も不安にさせている>

ドナルド・トランプ米大統領は、犯罪歴があって永住権を持たない移民を強制送還するという公約を掲げて当選した。しかし、就任初日から連発している大統領令では、アメリカで生まれたほぼ全ての人に市民権を与える出生地主義の廃止や、重要な難民プログラムの一時停止など、永住権を持つ移民も攻撃の対象にする意向を明らかにしている。

この数カ月、トランプ政権は憲法違反と思われる措置を次々と打ち出し、司法の忍耐力を試してきた。その多くは、各地の連邦地方裁判所の差し止め命令によって一時的ながら阻止されている。


しかし、連邦最高裁判所はこのところ、トランプのやりたい放題を容認するかのような動きも見せ始めた。下級裁判所が全国に適用される差し止め命令を出す権限を、制限または停止しようとしているのだ。

3月末にカリフォルニア州の連邦地裁は国土安全保障省に対し、約35万人のベネズエラ移民の一時保護資格(TPS)を剝奪する措置について差し止め命令を出した。同省は連邦最高裁に上告。最高裁は5月19日、差し止め命令を一時的に停止した。

対談
為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 セカンドキャリアの前に「考えるべき」こととは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

関税交渉で来週早々に訪米、きょうは協議してない=赤

ワールド

アングル:アルゼンチン最高裁の地下にナチス資料、よ

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人口学者...経済への影響は「制裁よりも深刻」
  • 2
    「マシンに甘えた筋肉は使えない」...背中の筋肉細胞の遺伝子に火を点ける「プルアップ」とは何か?
  • 3
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 4
    父の急死後、「日本最年少」の上場企業社長に...サン…
  • 5
    約558億円で「過去の自分」を取り戻す...テイラー・…
  • 6
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失…
  • 7
    日本では「戦争が終わって80年」...来日して35年目の…
  • 8
    ドクイトグモに噛まれた女性、顔全体に「恐ろしい症…
  • 9
    【クイズ】世界で1番売れている「日本の漫画」はどれ…
  • 10
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウ…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 5
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 6
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 7
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中