午前のドルは157円後半でもみ合い、イラン情勢の悲観後退でも根強い懸念
1万円札と米国の100ドル札。2010年9月撮影(2026年 ロイター/Yuriko Nakao)
Atsuko Aoyama
[東京 10日 ロイター] - 午前のドルは157円後半で売買が交錯した。トランプ米大統領の発言などからイラン情勢を巡る過度な悲観はいったん後退したものの、情勢は流動的で一方向に取引を傾ける状況ではないとの声が聞かれる。
ドルは朝方から157円後半で売買が交錯した。一時158円に迫った後、157円半ばに下落するなど不安定な値動きとなった。きょうは実需の売買が集中する五・十日に当たるが、仲値公示前後で需要に大きな偏りはなかったとみられる。
前日はイラン戦争の早期終結を示唆するトランプ米大統領の発言などで原油先物価格が急落し、有事のドル買いがやや後退したが、ホルムズ海峡や石油輸送を巡る米国側とイラン側の応酬は続き、先行きの懸念は消えていない。一段とドル安/円高が進むほどには「まだ霧が晴れていない」(りそな銀行資金証券部市場トレーディング室の広兼千晶氏)との見方が聞かれた。
トランプ米大統領は9日、イランがホルムズ海峡の石油輸送を止めた場合、米国はこれまでを遥かに上回る規模で同国を攻撃すると警告。一方、イランの精鋭部隊「イスラム革命防衛隊」は、米国とイスラエルの攻撃が続けば、湾岸地域から「1リットルの石油」も輸出させないと表明した。戦争終結を決めるのは革命防衛隊だとも強調した。
市場では、軍事衝突でドルが「オーバーシュート気味に買われていたものの、買いのピークはいったん終わった可能性がある」(セントラル短資FXの市場業務部の富永貴之部長)との声が聞かれる。
ただ、戦争が実際に早期終結するか不透明なことに加え、その後の経済への影響や各国の金融政策などの対応もまだ見通せない状況だ。結果的に、「方向感がない中、一定のレンジ内での上下の振幅という地政学リスクへの典型的な反応に落ち着くのではないか」(富永氏)との指摘がある。





