「まさかの敗北」ロシアの消耗とプーチンの誤算...プーチンが語り始めた後継者
Putin Is Not Winning the War
ところがロシアは西側相手の外交に失敗した。まずはアメリカが再三にわたり仲介を申し出たのに、交渉のチャンスをみすみすつぶしたこと。ロシアびいきのドナルド・トランプ米大統領もこれには業を煮やし、プーチンに仲介役を降りる考えをほのめかした。
後継者に言及する意図
欧州諸国への働きかけもうまくいっていない。ドイツの新しい首相に選ばれたフリードリヒ・メルツはイギリス、フランス、ポーランドとがっちり手を組み、ウクライナ支援の姿勢を強固に貫いている。しかもメルツはドイツ軍を欧州最強の軍隊にすべく国防費の大幅拡大を誓っている。
ロシアの外交力では欧州諸国を自国寄りか中立にすることはかなわなかった。外交官が手詰まり状況を打開するため妥協の余地を探ろうとしても、プーチンがそれを許さないからだ。
ウクライナでの敗北を何としても回避したいプーチンは、国家経済を犠牲にすることもいとわない。
ロシアが「戦争景気」に沸いた時期はもはや過去。開戦時に5%だったGDP成長率は今やゼロ近くに落ち込み、人手不足で人件費が上がったせいでインフレ率は10%前後に上っている。





