アメリカの「核の傘」にはもう頼れない? フランスの核兵器を欧州各国に配備...マクロンの狙いとは
Macron Open to Deploying Nuclear Weapons Across Europe

EU唯一の核保有国となったフランス。フランスの核はヨーロッパの安全保障を守れるか e-crow-shutterstock
<フランスの核兵器を条件付きで他国に配備することに言及したマクロン。彼が示した核兵器配備の条件とは>
ストックホルム国際平和研究所の2024年のデータによれば、フランスは約280発の核弾頭を保有しており、それらは潜水艦または航空機から発射可能となっている。
EU唯一の核保有国であるフランスの核兵器が、ヨーロッパ各地に配備される日が来るかもしれない。
5月13日に行われたフランスの民間テレビ局TF1でのインタビューで、マクロン仏大統領は、フランスの核兵器をヨーロッパの他地域に配備することについて議論する用意があると述べた。アメリカがベルギー、ドイツ、イタリア、トルコに核兵器を搭載した航空機を配備していることに言及した上での発言だった。
「フランスの核抑止戦略では、フランスの利益だけでなく、常にヨーロッパの安全保障が考慮されてきた」と述べるなど、マクロンはヨーロッパの安全保障に貢献する姿勢を示した。
一方、フランスの核抑止力を他のヨーロッパ諸国に拡大する場合には、いくつかの条件が伴うとし、その条件は数週間から数カ月の内に自身が定めると述べている。
主要な条件として、核兵器の使用権限はフランス大統領が握ること、フランスが核兵器受入国の安全保障費用を負担しないこと、核兵器を他国に配備するにあたりフランスの国防能力を損なわないことを挙げている。