<南アフリカが運営する観測基地で起きた事件が浮き彫りにする、滞在メンバーたちの心身のバランスをむしばむ過酷な状況下の暮らし>

南アフリカが運営する南極観測基地(通称サナエ基地)は、地球上で最も孤立した場所の1つだ。1年のうち10カ月は厳しい気象条件にさらされて、外界から切り離されるのだから。基地での生活は厳しいが、それが恐怖に変わることもある。

■【動画】恐怖支配と性的暴行...完全な孤立状態のなかで「異常事態」が発生した南極サナエ基地の内部映像

南アのメディアによると、サナエ基地に滞在している研究チームのメンバーから、「不安をかき立てる言動」と「恐怖に支配された環境」について政府当局にSOSのメールが届いたのは2月下旬のこと。基地には9人が滞在しているが、このうち1人が複数のメンバーに性的暴行や嫌がらせを働いたり、殺すと脅したりしているという。

だが、早期に助けがくることは望めそうにない。サナエ基地は、南ア第2の都市ケープタウンから約4000キロ離れており、最も近い「お隣さん」であるドイツの南極基地とも約300キロ離れている。そのため、どこかに緊急避難することは選択肢から外さざるを得なかった。

南極はこれからが冬本番。船舶や飛行機でアクセスを図ることは、これまで以上に難しくなる。しかもサナエ基地は、海岸から170キロ内陸部にある。南アフリカの砕氷船が補給のために訪れるのも12月の予定となっており、基地の人間が脱出することは、当面不可能だ。

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この環境下で「孤立すると精神をやられてしまう」
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