最新記事
関税戦争

対中関税引き下げに騙されるな...能無しトランプの場当たり的な「素人芝居」に振り回される企業の悲哀

The Amateur Hour Presidency: Tariffs, Trade, and the High Cost of Chaos | Opinion

2025年5月14日(水)13時40分
アロン・ソロモン

関税戦争一時停戦の合意はトランプ流統治スタイルによる失策?

今回の合意を美化するのはやめたほうがいい。戦略と呼べるような代物ではないからだ。最初から勝ち目がなかった勝負だとようやく気付き、慌ててリセットボタンを押しただけだ。

そしてこれは、国家運営の失敗という大きな問題の1つの典型でもある。切りかかり、燃やし、脅して、そのツケが現れ始めたら後退するという、トランプ流統治スタイルをそのまま体現している。


関税は地政学リスクの盤上で自由に動かせるおもちゃの兵隊ではない。雇用、物価、長期的な計画に影響を及ぼす現実的な経済的手段だ。

にもかかわらず、トランプ大統領の下で、関税政策は政治的な見世物になってしまった。グローバルサプライチェーンや国際外交の仕組みを理解しないままに、中国に強硬な姿勢を見せるための手段として振り回している。

その結果、企業が計画を立てられず、投資家が見通しを立てられず、消費者が文字通り代償を支払わされるという意味不明な環境が生まれた。

中国製品に対する145%もの関税を支払わされてきたアメリカの輸入業者に尋ねてみればいい。トランプが引き起こした経済的混乱は絵空事ではなく、現実の話だ。

巨額の支払いが発生し、利益は圧迫され、事業の根幹を揺るがす決断――従業員を解雇するのか、商品価格を引き上げるのか、それとも生産を海外に移すのか――を次々と迫られている。

そして最後には、この巨額関税の下でビジネスを継続できるのかという問いに突き当たっている。多くの輸入業者にとって、その答えは「ノー」だ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米移民当局発砲問題でミネソタ州が連邦政府に猛反発、

ワールド

トランプ氏、中国が台湾で何をするかは習主席「次第」

ビジネス

パラマウント、ワーナーに自社提案がネトフリ案より「

ビジネス

11月実質消費支出は前年比+2.9%
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 5
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 6
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 7
    トランプがベネズエラで大幅に書き換えた「モンロー…
  • 8
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 9
    マドゥロ拘束作戦で暗躍した偵察機「RQ-170」...米空…
  • 10
    「ショックすぎる...」眉毛サロンで「衝撃的な大失敗…
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 7
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 8
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 9
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 10
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中