「金ぴか時代」の王を目指すトランプの下、ホワイトハウスはこんなに変わり果てた
What Are Those Gold Medallions Trump Keeps Adding to the Oval Office?

カナダのカーニー新首相を迎えたトランプの大統領執務室(5月6日) © Adrian Wyld/The Canadian Press via ZUMA Press
<もはや執務室というより宮殿のよう。1期目にはあった節度も失われ、フランスの絶対君主を目指しているかのようだ>
カナダの新首相マーク・カーニーと5月6日にホワイトハウスで会談したドナルド・トランプ米大統領は、この政権特有の金ピカの装飾をひけらかしてこう言った。「新しくて美しいこの大統領執務室を見てくれ。24金に愛を込めて仕上げた。愛には効き目があるからな」
カーニーが大統領執務室を見るのは初めてだが、ホワイトハウス詰めの記者たちには見慣れた光景だ。トランプはこっそり、そして確実に、不動産王としての趣味を執務室の隅々に注ぎ込んできた。金ぴかのロココ装飾や黄金の調度品でいたるところギラギラしている。まるでマンハッタンの高級物件の内覧会だ。
バイデン前大統領が退任前にトランプと会った昨年の11月には地味だった執務室 REUTERS/Kevin Lamarque
外国首脳が訪問した際の写真からも、金ぴかが増殖していく様子はうかがえる。暖炉の上や肖像画の下、ドアの上の塑像にまで金の装飾が追加されている。執務机の後ろにも、ロココ調の鏡や金メッキのフィギュア、さらにはFIFAワールドカップのレプリカまでが鎮座している。
しかも3月以降のある時期からは、天井の四隅を飾っていたメダリオン(円形の金の浮き彫り)が 「増殖」し始めた。もとは控えめにあったものが、まず暖炉の上に出現し、今では壁一面に広がっている。古代ギリシャから引き継いだアカンサスという植物モチーフのメダリオンが、縦になったり横になったりして並んでいるのだ(写真を見る)。以前はなかった。いったいこれは何のつもりなのか。