最新記事
ジャーナリズム

「サブスタック」の成長が止まらない...アメリカ発・定期購読型メルマガの正体

Jounalism: Unplugged

2025年4月17日(木)10時12分
キャサリン・ファン(本誌記者)

大きな要因は、報復やアクセスの喪失を恐れる主流メディアが、トランプに譲歩していることだという。トランプに名誉毀損で訴えられたABCが昨年12月、1500万ドルを支払うことで和解したのがいい例だ。

「その結果、購読者がサブスタックに大移動している。しかも、彼らは1件のコンテンツだけでなく、5~6件を定期購読する」

成長傾向が止まらない

ワシントン・ポスト紙の著名コラムニスト、ジェニファー・ルービンは今年1月に退職し、MSNBCのご意見番を辞した元外交官ノーム・アイゼンと共に、サブスタックで「コントラリアン(逆行者)」を立ち上げた。配信開始後12時間で有料購読者は1万人に到達。現在の総購読者数は54万4000人以上だ。


ワシントン・ポストの風刺漫画家で、ピュリツァー賞を受賞しているアン・テルナエスも1月に辞職を発表した。アマゾン創業者で、同紙オーナーのジェフ・ベゾスを皮肉る漫画の掲載を拒否されたことが原因だ。今ではサブスタックで作品を発表し、購読者は9万人に上る。

「現在の放送ジャーナリズムへの不信感のせいで、独立派ジャーナリストが大勢の読者を獲得している」と、バレンタインは指摘する。

「奇妙な事態だ」と、ブルワークのラストは言う。

「(20年の大統領選後は)業績が頭打ちになるか、下降するとみていた。当社が急成長したのは、コロナ禍が発生した大統領選の年だ。通常モードに回帰するにつれ、売り上げは落ちるはずだった。だが驚いたことに、成長はその後の4年間も続いた。昨年は20年と同様になり、今も勢いが衰えない」

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米総合PMI、12月は半年ぶりの低水準 新規受注が

ワールド

バンス副大統領、激戦州で政策アピール 中間選挙控え

ワールド

欧州評議会、ウクライナ損害賠償へ新組織 創設案に3

ビジネス

米雇用、11月予想上回る+6.4万人 失業率は4年
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 8
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「日本中が人手不足」のウソ...産業界が人口減少を乗…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 8
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中