最新記事
ジャーナリズム

「サブスタック」の成長が止まらない...アメリカ発・定期購読型メルマガの正体

Jounalism: Unplugged

2025年4月17日(木)10時12分
キャサリン・ファン(本誌記者)

心地いいコミュニティー

もっとも、サブスタックで発信する人々が手にしているのは「成長」だけではない。

確かに、人気が高いジャーナリストは、以前より多くの報酬を得ているかもしれない(バレンタインによれば、購読料から手数料として10%を差し引いた金額が、配信者の収益になる)。注目も拡大する(サブスタックには「おすすめ」機能があり、昨年は新規購読者の半数超、有料購読者の30%以上を誘導した)。


だが何より、ここではコミュニティーを見つけることができる。「読者がつくる本物のコミュニティーがある」と、ラストは言う。「私たちが開催するイベントには500~600人が参加してくれるが、彼らはむしろ、サブスタックで知り合った仲間と交流するためにやって来る」

TikTokとインスタの違いのようなものだろう。TikTokは多くのユーザーにとって安心できる場で、支えや励ましになるコメントを期待できる。一方、インスタで同じ投稿をすれば、皮肉や批判にさらされがちだ。

「私たちはコミュニティーを適切な形に保とうとし、それなりの態度で他者に接することを求めている。そうした在り方こそが読者に愛されている」と、ラストは語る。

バレンタインに言わせれば、サブスタックには「握手をして、感謝しようという雰囲気がある」。アコスタは配信開始以来、どの記事も無料で読めるようにしているが、コメント欄は「ありがとう」という言葉でいっぱいだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

EUエンジン車禁止撤回の影響注視、競争環境変化に日

ビジネス

午前の日経平均は反発、前日安から買い戻し イベント

ワールド

中国最新空母「福建」、台湾海峡を初めて通過=台湾国

ワールド

トランプ氏、ベネズエラ出入港の制裁対象タンカー封鎖
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 7
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 8
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中