最新記事
株式市場

大統領はどこまで「株安許容」するのか?...なお残る「トランプ・プット」期待

2025年4月8日(火)12時59分

2020年の新型コロナウイルスのパンデミック発生時以来の規模となった足元の株安を巡っては、ソーシャルメディア上でトランプ氏が意図的に市場を壊し、米連邦準備理事会(FRB)に利下げを迫るとともに、中間層に買い場を提供したとの憶測まで出回っている。

トランプ氏は6日、首都ワシントンに向かう大統領専用機内で記者団に、わざと株価を急落させているわけではないが、これは米国の貿易赤字問題解決に必要な「薬」を服用した結果だと説明した。

同氏や側近らはかねてから、関税などの政策が短期的な痛みをもたらすとしても、結局は米国の製造業を復活させて成長を押し上げると主張している。


 

自力対応は不可能

しかし一部の投資家は、消費者信頼感低下や貿易戦争の激化、物価圧力増大といった要因のせいで、いくら今後プラスの材料が出てきたとしても、米経済が被る打撃は深刻で長期化する恐れがあると警鐘を鳴らす。

ボストン・カレッジの経済学者ブライアン・ベチューン氏は、関税が引き起こした混乱は、いくら米企業に耐性があっても自力で痛手を和らげることができないほど突然だったと指摘。「気球に多くの重りを取り付ければ、ドスンと地上に落ちてしまう」と解説した。

2日と3日にS&P総合500種が記録した下落率は10.5%で、2営業日ベースでは20年3月以来の大きさ。時価総額5兆ドル(約735兆円)近くが消し飛んだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=下落、経済指標受け 半導体関連が軟調

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、一時150円台 米経済堅調

ビジネス

再送-アマゾン、第3四半期売上高見通しが予想上回る

ビジネス

アップル、4─6月期業績が予想上回る iPhone
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから送られてきた「悪夢の光景」に女性戦慄 「這いずり回る姿に衝撃...」
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 4
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 5
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 6
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 7
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 8
    街中に濁流がなだれ込む...30人以上の死者を出した中…
  • 9
    【クイズ】2010~20年にかけて、キリスト教徒が「多…
  • 10
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 8
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 9
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 10
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 7
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中