最新記事
ドイツ

ドイツ国防「問題だらけ、解決策皆無」「ドローンは装備ない」 ウクライナ停戦実現すればNATOは...

2025年2月16日(日)17時51分
ドイツ連邦軍

ドイツ連邦軍の現在の戦闘即応性は、ロシアがウクライナ侵攻を開始した2022年当時よりも低下している――。写真はピストリウス国防相が視察する中、演習を行う独連邦陸軍の空挺旅団。2024年9月17日、独ザールルイスで撮影(2025年 ロイター/Thilo Schmuelgen)

ドイツ連邦軍の現在の戦闘即応性は、ロシアがウクライナ侵攻を開始した2022年当時よりも低下している――。複数の軍当局者や議員、防衛専門家らがロイターに語った。

23日の総選挙後に誕生する次期政権が防衛支出を拡大したとしても、特に防空や砲兵部隊、兵員の不足はその後何年も足かせになりそうだという。

ドイツ連邦軍協会トップのアンドレ・ベストナー大佐はロイターのインタビューで「ロシアのウクライナ侵攻前、わが軍には即応性が約65%だった8個旅団があった」と説明した。

しかしベストナー氏は、その後ウクライナへの武器弾薬・装備供与やドイツ連邦軍自体の演習急増により、利用できる装備が逼迫(ひっぱく)したため「地上部隊の即応性は50%前後に下がってしまった」と嘆いた。

ショルツ首相はロシアのウクライナ侵攻後、弱体化したドイツの軍備を刷新すると宣言したが、それから3年を経ても事態は改善していない。それどころか今年と2027年までに約4万人の部隊を北大西洋条約機構(NATO)に提供するという約束は、非常に大きな逆風に直面している、というのが関係者の見方だ。

関係者が明かしたこのような状況は、トランプ米大統領の返り咲きによって欧州が地政学上の新たな時代を迎える中で、ドイツが危うい立場に置かれていることを浮き彫りにしている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

日米首脳が電話会談、米関税に関する閣僚協議加速で一

ワールド

国連安保理、13日に緊急会合 イスラエルによる攻撃

ワールド

トランプ氏、イスラエルのイラン攻撃計画を事前に認識

ワールド

イスラエル、世界各地の大使館を閉鎖 対イラン攻撃開
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 2
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 5
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 6
    【動画あり】242人を乗せたエア・インディア機が離陸…
  • 7
    【クイズ】今日は満月...6月の満月が「ストロベリー…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    ゴミ、糞便、病原菌、死体、犯罪組織...米政権の「密…
  • 10
    【クイズ】2010~20年にかけて、世界で1番「信者が増…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラドールに涙
  • 3
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 4
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 5
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
  • 6
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 7
    ひとりで浴槽に...雷を怖れたハスキーが選んだ「安全…
  • 8
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 9
    プールサイドで食事中の女性の背後...忍び寄る「恐ろ…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 9
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中