最新記事
アメリカ政治

バイデン大統領の残り1カ月の「宿題」は?...中東・ウクライナ・USスチールなど

2024年12月23日(月)17時13分
バイデン米大統領

12月20日、任期が残り1カ月となったバイデン米大統領は、外交と内政の両方でトランプ次期大統領の就任前に達成したい多くの政治課題を抱えている。米首都ワシントンで9日撮影(2024年 ロイター/Elizabeth Frantz)

任期が残り1カ月となったバイデン米大統領は、外交と内政の両方でトランプ次期大統領の就任前に達成したい多くの政治課題を抱えている。

ホワイトハウス関係者によると、パレスチナ自治区ガザでの停戦と米国人人質の解放、ウクライナへの追加援助、さらなる非暴力犯罪者の恩赦と学生ローン債務の免除、半導体生産への一段の資金提供、日本製鉄によるUSスチール買収阻止などが優先事項だ。


 

米国のリーダーシップを回復し強化すると約束したバイデン氏の海外における功績が、同氏の任期中に起きた欧州と中東での紛争によって損なわれたことがこのリストからうかがえる。国内では民主党の選挙での敗北により同氏のレガシー(政治的遺産)が揺らいでいる。

82歳のバイデン氏は米経済を立て直すと表明し、任期前半には超党派の支持を得たインフラ投資法案やインフレ抑制法案を成立させるなど、重要な政治上の勝利を収めた。

しかし、2022年の中間選挙で共和党が下院を制したことで、主要な立法は事実上停止した。また、11月の選挙での民主党の大敗、特にハリス副大統領が激戦州でトランプ氏に全敗した原因について、民主党の一部はバイデン氏の選挙戦からの撤退が遅れたことにあると非難している。

ホワイトハウス当局者らは、ガザ地区での停戦とウクライナの防衛力強化が最優先事項だと述べている。

14か月に及ぶガザ紛争の停戦合意は、近日中に成立する可能性がある。

バイデン氏はまた、ウクライナへの武器供与を急いでいる。ロシアのプーチン大統領との親密な関係を強調するトランプ氏は、ウクライナの支援に消極的になる公算が大きいからだ。

展覧会
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) 鑑賞チケット5組10名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

EU、来月までに新たな対ロシア制裁の準備完了=外相

ビジネス

「ラブブ」人気で純利益5倍に、中国ポップマート 1

ワールド

米、中国の鉄鋼・銅などに新たな輸入規制 ウイグル強

ワールド

米政権、インテルへの出資は「経営安定が目的」 株式
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 2
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 3
    【クイズ】2028年に完成予定...「世界で最も高いビル」を建設中の国は?
  • 4
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 5
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 6
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 7
    時速600キロ、中国の超高速リニアが直面する課題「ト…
  • 8
    【クイズ】沖縄にも生息、人を襲うことも...「最恐の…
  • 9
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 10
    ニューヨークで「レジオネラ症」の感染が拡大...症状…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 4
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 5
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 8
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 9
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 10
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中