最新記事
シリア情勢

シリアの軍事目標250カ所以上を攻撃...「50年ぶり」に緩衝地帯に入り、一線を越えたイスラエル軍の言い分

Israel Strikes Over 250 Syrian Targets, Denies Tanks 'Approaching' Capital

2024年12月11日(水)19時55分
マヤ・メーララ、ジョン・フェン
装甲車の上に立つイスラエル兵

ゴラン高原の停戦ライン付近で装甲車の上に立つイスラエル兵(12月10日) Shir Torem-REUTERS

<アサド政権崩壊に乗じてシリア各地を空爆するイスラエル軍。その目的と「首都ダマスカスに接近」報道の真偽は?>

イスラエルのラジオ局軍事特派員が伝えたところによると、イスラエルはシリアで250以上の軍事目標を攻撃したという。

【写真】【動画】夜空を照らす炎、激しく損壊した小型飛行機の尾翼にはシリア国旗が...イスラエルによる激しい攻撃のあと

反体制派がシリアのアサド政権を打倒した後、イスラエル国防軍は50年ぶりにシリアとの非武装緩衝地帯に入り、イスラエルに対して使用される可能性のある兵器を排除するための攻撃を行っている。

イスラエルのラジオ局ガレイ・ツァハルの軍事特派員ドロン・カドシュは9日、X(旧ツイッター)に「アサドの軍隊、その戦車、飛行機、ヘリコプター、船舶、防空システム、ミサイル、軍事工場、情報施設、そしてシリア政府軍が数十年にわたって保有し、構築してきたものすべて」が空爆で破壊されていると書き込んだ。

初期の報道では、イスラエル国防軍の戦車がシリアの首都ダマスカスに近づいていると伝えられていたが、同軍は声明で本誌に対して次のように述べた。「イスラエルの戦車部隊がダマスカスに進軍したとされる報道は虚偽である。イスラエル国防軍は以前述べたように緩衝地帯内に駐留している」

イスラエル軍は12月8日、ミサイル保管施設、防空システム、兵器製造施設、化学兵器施設を攻撃したと、タイムズ・オブ・イスラエル紙が報じた。

本誌はシリア外務省に電子メールでコメントを求めた。

ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

タイ11月輸出、前年比7.1%増 予想下回る

ワールド

イスラエル、兵器産業自立へ10年で1100億ドル投

ビジネス

物価目標の実現「着実に近づいている」、賃金上昇と価

ワールド

拙速な財政再建はかえって財政の持続可能性損なう=高
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 2
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 5
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 10
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中