「スマホ投稿」が暴露した秘密...台湾防衛が中国に筒抜けとなる理由

No Secrets in an Age of Social Media

2024年11月7日(木)13時30分
ポール・ホワン(台湾民意基金会の研究員)

台湾国営の中央通訊社でさえ、機動部隊を見かけた民間人のニュースや写真を頻繁に報じており、時には移動の詳細なルートや時期を伝えている。政府と軍のこうしたセキュリティー意識の欠如は、愚かであり自殺行為だと専門家は語る。

戦争が起きて思い知る

機動部隊は、最も機敏で追跡が困難な軍事要素の1つと考えられている。アメリカの評論家や国防総省は台湾に対し、ハープーンの購入と配備の強化を繰り返し促している。台湾が21年3月に発表した「4年ごとの国防総検討(QDR)」も、対艦ミサイルを「ステルス性と機動性があり、探知が困難」とされる「非対称」兵器の筆頭に挙げている。


しかし、これらの兵器も賢く運用されなければ、戦車や戦闘機などいわゆる通常兵器より脆弱になり得ると、ブラウン大学のライル・ゴールドスタイン客員教授は指摘する。「多くの人が、台湾の防衛戦略はこうした非対称兵器に依存していると考えているが、長距離精密誘導兵器の時代における台湾の大きな脆弱性を無視している」

現在の台湾政府と軍指導部に現実を直視する意思や能力がないことは、多くの兆候が示すとおりだ。海鋒大隊に関する中国の記事が公開されてから数週間、台湾ではほとんど注目されず、ごく一部のメディアが「プロパガンダ」として軽く触れただけだった。三大テレビのCTSは、「中国はわれわれのミサイルに怯えている」という国防部所属の「専門家」の発言を伝えた。

ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

台湾総統「26年は重要な年」、主権断固守り防衛力強

ワールド

再送トランプ氏、シカゴやLAなどから州兵撤退表明 

ビジネス

ビットコイン、2022年以来の年間下落 最高値更新

ワールド

ゼレンスキー氏「ぜい弱な和平合意に署名せず」、新年
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 8
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中