最新記事
荒川河畔の「原住民」⑨

冬の寒さ、夏の暑さ、亡くなる時、欲求不満解消...ホームレス生活のリアリティー

2024年10月30日(水)19時15分
文・写真:趙海成

ホームレスだって一般の人と同じで、「七情六欲」(人間らしい感情や欲望を意味する中国語)があるのが当然だ。「兄」と「妹」の間に何かあったかどうかは知らないが、何かあったとしても、私は完全に理解している。みんな人間だからね!

日本では仕事が終わったら、ママのいるスナックに行っておしゃべりをしたり、お酒を飲んだり、カラオケを歌ったりするのが好きな人が少なくない。ホームレスになってもこの趣味がなくならない人もいると聞いた。


安いカラオケスナックなら、一度の支払いが3000~4000円ぐらいだ。頑張って空き缶を売って1日6000円稼ぐことができれば、そのうちの半分以上を使って、たまにカラオケスナックに行って楽しむのは、できないことではない。

メディアでは日本は性欲の低い社会になったと言われているが、桂さんと斉藤さんは目に見える事実から、そう思わないそうだ。

毎日荒川の河川敷で生活している彼らは、時折、堤防の斜面や草むらで男女が情事をしている光景を見ることがあるという。使用済みのコンドームがそのまま野原に捨てられていることもあり、それが目に刺ささるような異様な光景となっている。


※ルポ第10話:「暴力を振るわれることもある」...「兄貴」が語ったホームレス福祉の現状とは? に続く
※ルポ第4話はこちら:猫のために福祉施設や生活保護を拒否するホームレスもいる...荒川河畔の動物たち


(編集協力:中川弘子)


相談窓口「日本いのちの電話」
厚生労働省は悩みを抱えている人に対して相談窓口の利用を呼びかけています。
0570・783・556(10:00~22:00)
0120・783・556(毎日 16:00~21:00、毎月10日 8:00~翌日8:00)

[筆者]
趙海成(チャオ・ハイチェン)
1982年に北京対外貿易学院(現在の対外経済貿易大学)日本語学科を卒業。1985年に来日し、日本大学芸術学部でテレビ理論を専攻。1988年には日本初の在日中国人向け中国語新聞「留学生新聞」の創刊に携わり、初代編集長を10年間務めた。現在はフリーのライター/カメラマンとして活躍している。著書に『在日中国人33人の それでも私たちが日本を好きな理由』(CCCメディアハウス)、『私たちはこうしてゼロから挑戦した──在日中国人14人の成功物語』(アルファベータブックス)などがある。

ニューズウィーク日本版 トランプの帝国
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年2月10号(2月3日発売)は「トランプの帝国」特集。南北アメリカの完全支配を狙う新戦略は中国の覇権を許し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、雇用指標軟調でレンジ内

ワールド

トランプ氏、6日のイランとの協議注視 合意可能か見

ワールド

トランプ氏、ロシア提案の新START延長を拒否 「

ビジネス

米国株式市場=大幅下落、ダウ592ドル安 AI懸念
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新世論調査が示すトランプ政権への評価とは
  • 2
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 6
    「反トランプの顔ぶれ」にMAGAが怒り心頭...グリーン…
  • 7
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 8
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 9
    関税を振り回すトランプのオウンゴール...インドとEU…
  • 10
    習近平の軍幹部めった斬りがもたらすこと
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中