最新記事
東アジア

北朝鮮原潜の核弾頭がアメリカ本土を狙う日

NK Nuke Subs Worsen Things

2024年10月22日(火)13時01分
A・B・エイブラムズ(米朝関係専門家)
北朝鮮の戦術核攻撃潜水艦

北朝鮮は昨年9月、水中からの核攻撃を可能にする戦術核攻撃潜水艦の進水式を行った KCNAーPOOLーLATIN AMERICA NEWS AGENCYーREUTERS

<米軍の攻撃抑止にとどまらず世界の海に「ステルスな脅威」を広げる可能性が>

10月8日、韓国のメディアは軍と国会の関係筋から得た情報として、北朝鮮が初の原子力潜水艦の建造を始めたとみられると報道した

現時点での原潜保有国は、核兵器を保有する6カ国のみ。北朝鮮はイスラエル、パキスタンと同じく、核保有国でありながら原潜を保有していない3カ国の1つだが、原潜の開発は数年前から進めていると報じられていた。


原潜は、ディーゼルエンジンで駆動する通常動力型潜水艦より長期の連続潜航が可能だ。航続距離はほぼ無限で、水中速度も通常動力型よりはるかに速い。

注目されるのは、北朝鮮の原潜が敵国の都市に数メガトン級の威力を持つ核攻撃を行える弾道ミサイル潜水艦になるのか、それともはるかに幅広い機能を持つ攻撃型潜水艦になるのかだ。

建造されるのが弾道ミサイル潜水艦なら、北朝鮮は世界のどこからでも核弾頭を発射できるようになる。

あるいは攻撃型潜水艦なら、北朝鮮はいくつもの海にまたがって海軍力を展開できるようになる。具体的には、核弾頭と通常弾頭の両方を搭載した巡航ミサイルの配備、特殊部隊の投入、魚雷やミサイルを使用した対艦任務などが可能になる。北朝鮮がたとえ数隻とはいえ、これらの能力を手にすることの意味は極めて大きい。

展覧会
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) 鑑賞チケット5組10名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

午前の日経平均は続伸、最高値更新 円安や米株先高が

ワールド

欧州首脳、米ウクライナ首脳会談に同席へ ゼレンスキ

ワールド

スペイン、猛暑が阻む20件の大規模山火事対応 政府

ワールド

ゼレンスキー氏は「ほぼ即座に」戦争終了させること可
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 2
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に入る国はどこ?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    AIはもう「限界」なのか?――巨額投資の8割が失敗する…
  • 5
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 6
    恐怖体験...飛行機内で隣の客から「ハラスメント」を…
  • 7
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 8
    40代は資格より自分のスキルを「リストラ」せよ――年…
  • 9
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 10
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 4
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 5
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 6
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 8
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 9
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 10
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中