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子どもがゲームをする時間がどんどん長くなっている

2024年9月18日(水)11時20分
舞田敏彦(教育社会学者)

上記のデータには地域差があって、小6児童のうち1日4時間以上ゲームをする子の割合が最も高いのは大阪府で23.0%、最も低いのは長野県で18.0%(2024年度)。朝食をあまり(全く)食べない子の割合は大阪府が7.7%、長野県が4.2%。2つの指標のマトリクスに、47都道府県のドットを配置すると<図2>のようになる。

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長時間のゲーム実施率が高い県ほど、朝食欠食率が高い傾向にある(相関係数は+0.7059)。地域単位のデータではあるものの、「長時間のゲーム→朝起きられない→朝食欠食」というのは、普通に考えても頷けることだ。利用を通り越して「依存」に陥ると健康に悪影響が及ぶ。

ICT機器は子どもの勉学に資するが、それに頼り過ぎたり用途を間違えたりすると、よからぬことが起きる。最近ではデジタル教科書も広まっているが、「文字を手書きすることや実験等の体験学習が疎かになることは避けること」という留意事項が示されている(文科省)。また「寝つきが悪くなるため、就寝1時間前からはICT機器の利用を控えること」とも言われている。

自我が未熟な子どもの場合、大人が指導を行い、適切な利用(用途)に仕向けていくことも必要になる。

<資料:文科省『全国学力・学習状況調査』

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