最新記事
事件

「仕事に行かなきゃいけない」米軍需企業の入口塞ぐデモ隊をSUVで強行突破...車を降りた男の手にはナイフが

Worker Outside Lockheed Martin Wields Knife at Israel-Gaza Protesters

2024年4月8日(月)21時50分
マット・キャノン
ロッキード・マーティン社サニーベール工場の入口ゲート

ロッキード・マーティン社サニーベール工場の入口ゲート Sundry Photography-Shutterstock

<ロッキード・マーティン社のサニーベール工場には、イスラエルに武器を販売する同社に抗議する100人以上のデモ隊が集まっていた>

4月4日、米カリフォルニア州にあるロッキード・マーティン社の施設を抗議デモの参加者たちが封鎖していたところ、SUVに乗った1人の労働者が強行突破しようとし、ナイフをちらつかせて「仕事に行かなきゃいけないんだ」と叫ぶ事件が発生した。

【動画】入口を塞ぐデモ隊をSUVで強行突破し、「死にたくなければ道をあけろ!」とデモ隊にナイフを向けて怒鳴る男

抗議者たちはこの日の朝、サニーベールの工場周辺に集まり、イスラエルのガザ戦争において同社が担っている役割に反対した。ロッキード・マーティン社は、イスラエルがこの戦争で使用し、半年間で3万人以上の命を奪ってきた戦闘機F-16とF-35、そしてヘルファイア・ミサイルを製造している。

動画には、停止するよう求めるデモ隊の方に向かって白い車がスピードを上げる様子が映っている。封鎖線の数十センチ手前で車を止めて出てきた男は、刃物を取り出した。

「死にたくなければ道をあけろ!」と叫ぶ男に対し、カメラに映っていないデモ隊の一人が「刑務所に行きたくないなら武器を捨てて」と諭している。これに男は、「お前らこそ刑務所に行きたくなければさっさと道をあけろ!」と反論した。

この場面をビデオに収めたデモ参加者のジャージー・ノアは、この男はロッキード・マーティンの従業員だとインスタグラムで説明している。同社は事実関係を明らかにしていない。本誌はサニーベールの施設に5日の営業時間外に電子メールで問い合わせた。

広報担当者は声明の中で、「当社は公正で平和的な抗議の権利を尊重する」と前置きしたうえで、従業員の行動規範に対する「違反がなかったかを徹底的に調査する」と付け加えた。

この騒動は、イスラエルの戦争がアメリカ国内に引き起こしている緊張の高まりを示している。ギャラップ社が3月下旬に行った世論調査によれば、米国民の過半数(55%)がイスラエルの軍事行動を支持しておらず、昨年11月の同調査での45%からその比率が上がっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

マスク氏報酬と登記移転巡る株主投票、容易でない─テ

ビジネス

ブラックロック、AI投資で各国と協議 民間誘致も=

ビジネス

独VW、仏ルノーとの廉価版EV共同開発協議から撤退

ビジネス

米下院、貧困や気候問題の支出削減法案 民主党反対 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 2

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、さらに深まる

  • 3

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 4

    無名コメディアンによる狂気ドラマ『私のトナカイち…

  • 5

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 6

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 7

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 8

    他人から非難された...そんな時「釈迦牟尼の出した答…

  • 9

    「香りを嗅ぐだけで血管が若返る」毎朝のコーヒーに…

  • 10

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    地下室の排水口の中に、無数の触手を蠢かせる「謎の…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中