最新記事
中ロ関係

中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略がプーチンを窮地に追い込む

China's Quiet Push Into Russia's Far East Puts Putin in a Pickle

2024年4月3日(水)16時58分
マイカ・マッカートニー

ウクライナ侵攻で西側から経済制裁を受け、銀行の国際決済網SWIFT(スイフト)から排除されているロシア経済を戦時需要とともに支えているのは、中国との貿易だ。

おかげでロシアは最も悲観的な経済予測を覆すことができたのだが、一方で人民元への依存度を高めることになった。

ロシア経済省によると、2023年上半期、ロシアは中国との貿易高の4分の3、その他の国との取引の4分の1を人民元で決済したという。

ブルームバーグの報道によると、ロシアの中央銀行は3月29日に発表した年次報告書の中で、外貨準備に関して、人民元に代わる良い選択肢がないと述べたという。

「他の通貨の為替レートは非常に不安定で、流動性が低い。そして、発行国の多くでは資本の移動に制限をもうけている。それが使用するうえでの障害となっている」と報告書は述べている。

スンによれば、人民元を取引に使うことの利点は大きかった。ロシアは制裁の影響を緩和し、スイフト決済システムに代わる決済システムが利用できるようになったのだ。だが「準備通貨は別問題だ」。

ロシアは従属的な立場に

「二国間の経済活動のレベルを考えれば、ロシアが外貨準備に人民元を増やすのは当然だと言うこともできるだろう。だが、中国の資本規制や人為的な為替レート操作など、多くの現実的な問題もある」と、スンは言う。「人民元は決して最も魅力的な準備通貨とはいえないが、ロシアには他に選択肢がない」

ロシアが人民元に依存すれば、中ロ間に外交的緊張や貿易摩擦が生じた場合、「従属的なパートナー」であるプーチンは窮地に立たされ、中国が直面する経済的課題の悪影響を受けることになる。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ハイチ、ギャングの襲撃で少なくとも70人死亡=人権

ワールド

レバノンでインドネシア国連要員3人死亡、イスラエル

ビジネス

2月小売業販売額は前年比-0.2%=経産省(ロイタ

ワールド

メキシコは利下げ打ち止め近い=中銀総裁
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    アリサ・リュウの自由、アイリーン・グーの重圧
  • 4
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 5
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 6
    初の女性カンタベリー大主教が就任...ウィリアム皇太…
  • 7
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 8
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカ…
  • 9
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 10
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 10
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中