最新記事
ウクライナ戦争

ロシアのFPVドローンが最強戦車「M1エイブラムス」を破壊...直撃シーン、燃え上がる映像が公開される

Video Appears to Show US Abrams Tank Engulfed in Smoke

2024年3月6日(水)07時00分
エリー・クック
M1エイブラムス

M1エイブラムス戦車 M2M_PL-Shutterstock

<ロシア側は制圧したアウディーイウカ近郊で「M1エイブラムス」3両を破壊したと述べている>

アメリカがウクライナ軍に供与した主力戦車「M1エイブラムス」から煙が立ち上っているとみられる動画が新たに公開された。場所はウクライナ東部の前線付近だという。ウクライナ東部の都市アウディーイウカを制圧後、ロシア軍は重装甲の米国製戦車を標的にしていると主張。

【動画】FPVドローンによる爆破シーン...ロシア軍に破壊された最強戦車「エイブラムス」から上がる炎と煙

ソーシャルメディアやロシアの軍事ブロガーたちの間で広く拡散されている短尺動画や画像が映し出しているのは、1両のエイブラムス戦車から煙と炎が立ち上る様子だ。ロシア側のFPV(一人称視点)攻撃ドローンが、この戦車に衝突する瞬間を捉えたと思われる短い動画もある。

ロシアの国営メディアは3日、ロシア軍が先週、ウクライナ東部のアウディーイウカ近郊でエイブラムス3両を破壊したと報じた。国営通信社のタス通信によると、ロシア軍は2月26日にFPVドローンを使ってエイブラムス1両を「完全に破壊」し、その後さらに2両を攻撃したという。ただし、2両目と3両目の詳細については触れていない。

本誌はこの動画と主張について独自に事実確認できなかったため、ウクライナ軍にコメントを求めている。

戦況を変えると期待されたが

アメリカは2023年1月、ウクライナにエイブラムスを31両供与すると発表。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は同年9月末、エイブラムスが戦時下の同国に到着したことを明らかにした。

暗視装置などを搭載したエイブラムスのM1A1/SA(状況認識型)モデルについて米当局は、戦場で高い効果を発揮するだろうと自信をのぞかせた。しかし専門家たちは、数が多くない上に保守や運用が複雑なため、ウクライナ軍の2023年夏の大規模反攻が始まって数カ月経ってからの供与では、切り札となる可能性は低いと述べていた。

一方的に併合を宣言しているウクライナ南部ヘルソン州でロシア側が「州知事」に任命したウラジーミル・サリドは先月26日、ロシア軍がアウディーイウカ近郊でエイブラムス1両を破壊したと発表。テレグラムへの投稿で、「エイブラムスは、その最初の戦闘任務でロシアの無人偵察機オペレーターに発見された」と述べた。ロシア国防省も翌27日、エイブラムス1両と、同じくアメリカから供与されたブラッドレー歩兵戦闘車1両をアウディーイウカ近郊で破壊したと発表した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル、ラファの軍事作戦拡大の意向 国防相が米

ワールド

焦点:米支援遅れに乗じロシアが大攻勢、ウクライナに

ワールド

南ア憲法裁、ズマ前大統領に今月の総選挙への出馬認め

ワールド

台湾新総統が就任、威嚇中止要求 中国「危険なシグナ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『悪は存在しない』のあの20分間

  • 4

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 5

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 6

    「裸に安全ピンだけ」の衝撃...マイリー・サイラスの…

  • 7

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 8

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 9

    「すごく恥ずかしい...」オリヴィア・ロドリゴ、ライ…

  • 10

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 9

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 10

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中