最新記事
SNS

韓国ユーチューバー、新大久保でも話題のスイーツ「タンフル」で大炎上 虚偽の契約で専門店オープンか

2024年1月18日(木)17時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

タンフル専門店、まさかの出店場所は

昨年10月29日、彼女はYouTubeに「憂鬱だったある日、タンフルのモッパン動画を見ました。それで偶然食べたタンフルで心が落ち着くことに気がついた」と投稿。「多くの人にこのような気持ちを共有し、お店の立ち上げ過程も知らせたい」とタンフル専門店をオープンする計画を明らかにした。この動画を投稿して以降、タンフルのレビュー動画などを掲載し、開店に向けた準備の様子も掲載した。チャンネル購読者たちは「チン・ジャリムだけのタンフルを期待します」と応援した。

そして1月13日、彼女は自身のYouTubeに動画を投稿して「今月末、京畿道華城市(キョンギド·ファソンシ)のとあるビルの1階にタンフルのお店をオープンします」と明らかにして、「タンフルの流行は落ちついたけど開業をしないと後悔すると思った」「失敗するのも経験だと思う」と話した。

ところが、チン·ジャリムが公開した店の位置は「王家タンフル」というチェーン店と同じビルで、しかもすぐ隣りだということが明らかになりネットで議論が巻き起こった。「同業店舗のすぐそばに店を開業することは違法ではないが商道徳に反する」「人と人の間で守らなければならない最小限の倫理」「あなたにとっては失敗してもいいただの遊びかもしれないが、隣のタンフル店主にとっては生業」と続々とチン·ジャリムへの批判が投げかけられたのだ。

地元の反発を恐れて偽装も!?

さらに問題を大きくしたのは、チン·ジャリムが店舗を不動産会社と契約する際に「デザートカフェを開く」と話していたためだ。

突然、ライバル店の登場を知った隣のタンフル店の店主は「流行が収まって売上減少で苦しんでいたが、同じビルのすぐ隣に有名YouTuberがタンフル店を開くと聞いて衝撃を受けた」と戸惑いを隠せない様子だったという。

また、周辺の不動産業者は「チン·ジャリムが直接物件を見て店舗の賃貸契約をした」と語り、「彼女は『デザートカフェを準備しているが、最近タンフルも人気なのでデザートの一部品目に入る』と話していた」と述べて、地元の反発を恐れて店の実態を隠したまま準備を進めていたことを証言した。

公認会計士の指摘した争点は

こうしたチン・ジャリムの問題について、「青春不動産」というYouTubeチャンネルを運営するある公認仲介士(日本の宅地建物取引士に相当)は、「一般に一つの建物に同業他社が入っても問題ないし、実際にそういう事例は多い」と語り、「結局は一般のタンフル店の隣に有名YouTuberが同じ業種の店を開いたというのが人々の認識の中で良くないように見えるのだ」と述べた。

その一方で、彼は「法的な問題の余地は色々ある」と話した。それによると、一つは賃貸契約の特約の有無だという。隣のタンフル店が賃貸契約時に「同一業種入店不可」という特約を入れていたら問題になる。特約がある場合、既存のタンフル店側は大家に対して訴訟が可能だ。大家の立場からも「知らなかった」としてチン·ジャリムに訴訟を起こすことができる。韓国では店の契約時に通常特約をかけるという。

またこの公認仲介士は、該当地域近隣の商店街1階の賃貸物件を探して「多くの空き物件があるのにあえて王家タンフルの隣を選ぶ必要があったのか」とチン·ジャリムの行動に疑問を投げかけた。

ちなみに一連の騒動に対してチン・ジャリム自身は何の反応も示しておらず、当初予定していた動画配信サービス「アフリカTV」でのライブ配信もキャンセルした状態だ。

試写会
『クィア/Queer』 ニューズウィーク日本版独占試写会 45名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

訂正-米、イランのフーシ派支援に警告 国防長官「結

ワールド

トランプ氏、ウォルツ大統領補佐官解任へ=関係筋

ビジネス

米債市場の動き、FRBが利下げすべきとのシグナル=

ビジネス

米ISM製造業景気指数、4月48.7 関税コストで
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 8
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 9
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 10
    【徹底解説】次の教皇は誰に?...教皇選挙(コンクラ…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中