最新記事
義勇軍

反プーチンのロシア人義勇軍が、アウディーイウカでロシア軍の拠点を急襲

Avdiivka Video Shows Hodgepodge Rebel Unit's Sneak Attack on Russian Troops

2023年12月6日(水)18時10分
エリー・クック
義勇兵

ロシアと戦うためにロシア義勇軍団に入隊して訓練を受ける義勇兵たち(10月6日、キーウ) REUTERS/Viacheslav Ratynskyi

<反プーチンの極右部隊「ロシア義勇軍団」が元ロシア兵、ワグネル戦闘員、「ストームZ」などの荒くれ者を吸収して成長か>

ロシアに反旗を翻したロシア人の部隊が、ロシア軍正規軍部隊を攻撃する新しい動画が浮上した。ロシア側がここ数カ月、戦力を集中的に投入し、激戦地となっているドネツク州アウディーイウカ付近でのことだ。

<動画>ロシア義勇軍団の激闘

 

反プーチンを掲げるロシア義勇軍団がドネツク州で行なっている作戦からいくつかの場面を切り取ったものとみられる。映像では、軍用車の動きや、網の目のように張り巡らされた塹壕付近で爆発が連続する様子などが見て取れる。

義勇軍団はアウディーイウカ付近にある「敵の拠点を急襲」し、その後「この拠点をウクライナ正規軍に引き渡し、その支配下に置いた」と、説明がある。

本誌は、この映像の撮影時期や場所について、独自に裏付けを取ることはできなかった。

ロシア義勇軍団は、2022年2月にプーチン政権がウクライナ侵攻を開始したのちに結成された極右集団で、ロシアに対抗し、ウクライナのために戦う元ロシア軍兵士で構成されている。ウクライナのチェルニーヒウ、キーウ、ヘルソン、ザポリージャ、ドネツクの各州を拠点にロシア領内への越境攻撃を行うほか、ロシアのブリャンスク州やベルゴロド州でも作戦を実施している。

なかには重罪犯も

ロシア義勇軍団には、解散したロシアの民間軍事会社「ワグネル」の元戦闘員も入っているとみられる。ワグネルはウクライナとの戦いで主要な役割を果たしていたが、2023年6月にロシア軍幹部に対して反乱を起こした。反乱は急転直下で終結し、その後、創設者のエフゲニー・プリゴジンは死亡した。同義勇軍団にはまた、重罪犯も含まれているとされるロシア軍の傭兵部隊「ストームZ」に所属していた兵士も採用しているようだ。

こうしてさまざまな反プーチンのロシア人を寄せ集めた義勇軍団は、アウディーイウカを包囲しようと攻めてくるロシア軍に対して一斉攻撃を開始した。
(翻訳:ガリレオ)

食と健康
消費者も販売員も健康に...「安全で美味しい」冷凍食品を届け続けて半世紀、その歩みと「オンリーワンの強み」
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

FRB利下げ「良い第一歩」、幅広い合意= ハセット

ビジネス

米新規失業保険申請、3.3万件減の23.1万件 予

ビジネス

英中銀が金利据え置き、量的引き締めペース縮小 長期

ワールド

台湾中銀、政策金利据え置き 成長予想引き上げも関税
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 5
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 8
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 9
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 10
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 10
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中