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殺人に誘拐の「ギャング天国」ハイチにやっと国際介入...周辺諸国がいまだ「懐疑的」な理由とは?

2023年10月23日(月)12時40分
キャサリン・オズボーン
ハイチ

ギャングに襲われた負傷者を救助する人々 RALPH TEDY EROLーREUTERS

<治安問題から20万人が自宅を離れることを余儀なくされている無法地帯ハイチ。国連安保理で多国籍部隊を送る決議を採択したが...>

カリブ海の島国ハイチに、ようやくわずかな希望がもたらされるかもしれない。

ハイチでは近年、大統領暗殺や巨大地震が発生し治安が悪化。首都ポルトープランスの大半がギャングの支配下に置かれるなか、10月初め、国連安保理が加盟国に多国籍部隊を1年間派遣する権限を与える決議案を賛成多数で採択した。

国連によれば、ハイチでは今年1月以降、3000人が殺害され、身代金目的の誘拐は1500人に上る。危険な状況で自宅を離れることを余儀なくされた人は20万人に上り、そのうち半数が子供だ。

アンリ首相代行は1年前から国連に多国籍部隊の派遣を要請していたが、過去の国際介入の失敗から主導する国がなかなか決まらなかった。

ケニアが主導することになった部隊の活動内容はまだ不明だが、中南米やカリブ諸国は介入の成功に懐疑的だ。アンリが政権移行を渋っているからで、近隣諸国はまずハイチで民主的な選挙が行われる必要があるとしている。

From Foreign Policy Magazine

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