「国慶節」ではしゃぐ中国を後目に、海外では中国建国の日が「嘆きの日」に
China's National Day Met with Worldwide 'Day of Mourning' Protests
国慶節前、人民大会堂で記念の夕食会に臨む習近平(9月28日、北京) Jade Gao/REUTERS
<10月1日の国慶節、西側の主要都市では中国の人権侵害に抗議するデモが行われた>
<動画>外相解任前、「不倫」相手のインタビューを受けていた秦剛
中国の建国74周年を祝う「国慶節」にあたる10月1日、香港などの民主派活動家が、この日を「嘆きの日」として、世界各地の主要都市に結集して抗議活動をおこなった。
米国に拠点を置く「香港民主委員会」は、ロンドン、サンフランシスコ、東京などの各地でおこなった中国共産党に抗議するデモの写真をソーシャルメディア上に投稿。中国北西部の新疆ウイグル自治区における中国の人権侵害に抗議するウイグル人活動家らも参加した。
香港では、中国政府を後ろ盾とする当局が取り締まりを開始した2019年以降、基本的自由権が急速に蝕まれている。
「国境をまたぐ弾圧」
ニューヨークを拠点とする民主派活動家たちは、中国国外でも当局に監視されるなど、中国共産党による自由な社会の侵害を焦点とする展示会を開催した。ここ数年の間に中国から逃れてきた香港とウイグルの活動家たちは、自分たちが中国政府による威嚇行動の標的になっていると話している。米司法省はそうした活動を「国境をまたぐ弾圧」と表現している。
ロンドンでは、「チベット人は自由を求めている」「中国共産党に抵抗する」などと書かれたプラカードを掲げたデモ隊の写真が撮影された。ワシントンDCでは、デモ参加者たちが「ウイグル人大虐殺をやめろ」というメッセージが書かれたTシャツを着た。新疆ウイグル自治区の多数を占めるイスラム教徒に対して中国政府が長年おこなっている大量収容・再教育を批判しての行動だ。
香港の元学生活動家で、現在はロンドンを拠点とする羅冠聰(ネイサン・ロー)は、2016年9月に選挙で当選し、香港立法会で史上最年少の議員となった人物だが、2020年に中国政府寄りの香港当局から逃れて亡命した。そのローによれば、2020年6月の香港国家安全維持法(国安法)施行以来、香港における自由の状況は悪化し続けている。
「政治的自由、言論と集会の自由は幻想にすぎず、そうした権利を行使したかどで逮捕される人が増えている」とローは本誌に話した。
10月1日、中国の兵士たちが天安門広場で国旗掲揚式をおこなっていたころ、香港では、ショッピングエリア銅鑼湾で黒い服を着たひとりの男性が乱暴に逮捕される様子をとらえた動画が浮上した。男性は白い花を掲げていたという。