最新記事
内閣改造

第2次岸田再改造内閣の経済対策、衆院解散・総選挙にらみ肥大化のおそれ 需給ギャップに下方圧力

2023年9月13日(水)16時05分
ロイター

肥大化で円安誘因も

とはいえ思惑通りに対策を練り上げられるかは不透明感も漂う。内閣府によると、4―6月期の実質国内総生産(GDP)から推計される需給ギャップは、1次速報の段階でプラス0.4%となった。

ただ、2次速報では成長率そのものが下方改定され、「2次速報を反映した需給ギャップはプラス幅が縮減され、実質マイナス成長に転じる可能性がある7―9月期は再び需要不足に陥りかねない」(みずほリサーチ&テクノロジーズの酒井才介主席エコノミスト)との指摘が出ている。内閣府が月内にも改めて公表する推計値次第で、歳出圧力が強まる展開も予想される。

22年度2次補正予算の編成では、コロナ禍の例外から脱却して「平時への移行」をうたったが、土壇場で与党に押し切られ、歳出は28.9兆円まで膨らんだ。「(改造人事を経ても)支持率回復が見込めなければ拡張財政に向かいやすい」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)。

宮前氏は「需要を穴埋めする緊要性に乏しい経済環境だが、30兆円規模の対策を続けていくようだと、かえって円安を招きかねない」としている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ビジネス
暮らしの安全・安心は、事件になる前に守る時代へ。...JCBと連携し、新たな防犯インフラを築く「ヴァンガードスミス」の挑戦。
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、24%の対米関税を1年間停止へ 10%の関税

ワールド

UPS貨物機が離陸直後に墜落、4人死亡・11人負傷

ワールド

パリ検察がTikTok捜査開始 若者の自殺リスクに

ワールド

中国、輸入拡大へイベント開催 巨大市場をアピール
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 9
    高市首相に注がれる冷たい視線...昔ながらのタカ派で…
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中