最新記事
ロシア・アフリカ首脳会議

アフリカ諸国にも嫌われた?首脳が少ししか来ないロシア・アフリカ首脳会議

Putin's awkward handshake with ally mocked amid low turnout at summit

2023年7月27日(木)16時04分
ジョン・ジャクソン

ロシア・アフリカ首脳会議出席のためサンクトペテルブルクにやってきたエチオピアのアビー首相(左)は、プーチンの大歓迎を受けた(7月26日)  Sputnik/Alexei Danichev/REUTERS

<27日開幕のロシア・アフリカ首脳会議に出席する首脳は、アフリカ54か国のうち17か国だけ。きてくれた首脳の一人、エチオピア首相とプーチンとの握手は感謝のあまり?長過ぎて話題に>

ロシアでは7月27日からサンクトペテルブルクで「ロシア・アフリカ首脳会議(サミット)」が開幕するが、サミットに参加表明しているアフリカ諸国の指導者が予定より少ないことから、寂しいウラジーミル・プーチン大統領を揶揄する声が上がっている。

ベラルーシの反体制派ニュースサイト「NEXTA」は、メッセージアプリ「テレグラム」のチャンネルに、プーチンがエチオピアのアビー・アハメド首相と握手をする様子を撮影した動画を投稿。「プーチンは尊敬を集めるアフリカのパートナーの手を掴み、離そうとしなかった。エチオピアの首相はやや困惑していた」と書き添えた。

27日に開幕するサミットに出席を予定しているアフリカの国家元首はわずか17人と、2019年の43人に比べてかなり減る見通しだ。だがロシア政府は、これに加えてアフリカの32カ国が、政府高官または大使を派遣する予定だと強弁している。

AP通信によれば、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、サミットに出席する国家元首の数が以前よりも減ったことについて記者団から質問を受けると、「アメリカ、フランスやその他の国が厚かましくも介入し、アフリカ諸国の指導部に圧力をかけ、サミットへの積極的な参加を阻止しようとした」と述べけた。「とんでもないことだが、これによってサミットの成功が阻まれることはまったくない」

ウクライナ戦争や穀物輸出合意の離脱を非難する声も

プーチンがエチオピアの首相の手をなかなか離さなかった様子を捉えた動画は、ソーシャルメディア上で拡散され、あるツイッターユーザーはこれを「史上最も気まずい握手」と称した。この人物は、ロシア国営メディア「スプートニク」のツイートにコメントする形で、「もしかしたら写真撮影のためにそうしていたのかもしれない。でもこれだけの時間動かずにいるのはかなり難しい」と書き込んだ。

本誌はこの件について、ロシア外務省にメールでコメントを求めたが、返答はなかった。

ソーシャルメディア上には、さらに痛烈にプーチンを批判する声もあった。

ウクライナ内務省のアントン・ゲラシチェンコ顧問は、アフリカの一部の指導者が会議に出席しない決定を下したことについて、ロシアは「食糧テロリストで恐喝屋」だからだ、と非難した。

一部の有識者は、アフリカ諸国の指導者らがサミットへの出席を見送ったことについて、ロシアによるウクライナ侵攻と、ウクライナ産の穀物を黒海から安全に輸出させるための黒海穀物合意の履行をプーチンが反故にしたことが理由だと指摘している。ウクライナ産の穀物を黒海経由で輸出するためのこの合意が破綻したことで、世界の食料安全保障が脅かされている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

石破首相「双方の利益になるよう最大限努力」、G7で

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    4年間SNSをやめて気づいた「心を失う人」と「回復で…
  • 10
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中