最新記事
ロシア

プリゴジンの乱、依然として残る謎 ロシア情報機関は西側の関与も調査

2023年6月27日(火)11時45分
ロイター
ワグネル創設者エフゲニー・プリゴジン

ロシアの民間軍事会社ワグネル創設者エフゲニー・プリゴジン氏は26日、武装蜂起後初めて沈黙を破り、政府を転覆させる意図はなかったとのコメントを発表した。写真は反乱蜂起時にロストフのロシア軍南部軍管区司令部で話すプリゴジン氏。同氏広報の提供写真(2023年 ロイター/Press service of "Concord")

ロシアのプーチン大統領は26日、週末に起きた民間軍事会社ワグネルの武装蜂起について、流血を避けるために継続を容認したと述べた。一方、ワグネル創設者エフゲニー・プリゴジン氏は同日、武装蜂起後初めて沈黙を破り、政府を転覆させる意図はなかったとのコメントを発表した。

ただ、プリゴジン氏は自身の居場所や今後の計画については一切触れず、蜂起を停止させるきっかけとなったベラルーシ大統領の仲介による合意の詳細も明かさなかった。

プーチン氏は国民向けのテレビ演説で「当初から、深刻な流血を避けるために私の直接の指示によって措置が取られた。中でも、過ちを犯した者たちに正気に戻る機会を与え、自分たちの行動が社会から断固として拒絶され、ロシアにとって悲劇的かつ破壊的な結果をもたらすことを理解させるために、時間が必要だった」と述べた。

プリゴジン氏はテレグラム上に投稿された11分間の音声メッセージで、「われわれは抗議デモとして行ったのであって、ロシアの現体制と合法的に選出された政府を転覆させることが目的ではなかった」と表明した。また、進軍の目的はワグネルの破壊を回避し、ウクライナに対する「特別軍事作戦」で過ちを犯した者の責任を追及するためだったという認識を示した。

プリゴジン氏が最後に目撃されたのは、24日夜にスポーツ多目的車(SUV)でロシア南部ロストフナドヌーを後にする様子だった。

こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は26日、同国軍が前線の全ての区域で前進したと明らかにした。

捜査は継続か

プリゴジン氏の武装蜂起は世界に衝撃を与えた。

ロシアの主要メディアは、プリゴジン氏の反乱について刑事事件として現在も捜査が続いていると報じた。

ロシアのミシュスチン首相は26日、国家が「安定への試練」に直面しているとし、プーチン大統領の下で結束を維持するよう呼びかけた。これは武装蜂起後、初の政府要人の公式発言となった。

投資
「FXで長期投資」という投資の新たな選択肢 トライオートFX「世界通貨セレクト」とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

IMFは「ゴルフ場売却を」、米財務長官 中核責務へ

ビジネス

JPモルガンとゴールドマン、中国事業継続 米中緊張

ビジネス

寄り付きの日経平均は続伸、米ナスダック上昇や「高市

ワールド

英財務相、富裕層増税を予算に盛り込む考え=英紙
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 2
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道されない、被害の状況と実態
  • 3
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇跡の成長をもたらしたフレキシキュリティーとは
  • 4
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 5
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 6
    【クイズ】アメリカで最も「死亡者」が多く、「給与…
  • 7
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 8
    「中国に待ち伏せされた!」レアアース規制にトラン…
  • 9
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 10
    筋肉が目覚める「6つの動作」とは?...スピードを制…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 7
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中