最新記事
ロシア

これがプーチンの「地下シェルター」の姿...核爆発にも耐えられる構造と写真が公開される

2023年5月19日(金)18時02分
ダニエル・オング
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領

Sputnik/Artem Geodakyan/Pool via REUTERS

<ビジネスインサイダーが公開した図面や現地の写真によれば、巨大なトンネル状の地下シェルターには数週間は生活できる設備が備わっているという>

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領のものとされる地下シェルターの図面や現地の写真が、ネット上に公開された。シェルターには数週間生活できる設備が整っており、核爆発の衝撃にも耐えられるという。

■【写真】2本のトンネルの上部には「宮殿」が...巨大なプーチンの地下シェルターを見る

ビジネスインサイダーが公開した図面によると、ロシア南部のクラスノダール地方にあるこの地下複合施設には、複雑な構造の2つのトンネルがある。トンネルは異なる階層にあり、一方は全長が約40メートル、もう一方は60メートルだ。どちらも幅は6メートルとみられ、プーチンは地下に約6500平方フィートもの居住スペースを持っていることになる。

また、核爆発の衝撃に耐えられるよう、トンネルは厚いコンクリートで覆われている。内部には給水設備、換気口、広範なケーブルが設置されており、少なくとも数日から数週間は生活できるようになっているという。

構造エンジニアで防衛構造に詳しいタデウス・ガブリゾウスキーは同メディアに対し、「このトンネルは、あらゆる種類の安全性とセキュリティを備えている」と述べている。「消防設備に、給水設備、下水管もある。誰かが生き延びるためか、逃亡するためのものだ」

トンネルを抜けるとプーチンの宮殿へ

下方に位置するトンネルの壁にはケーブルラックが16個埋め込まれており、指揮所に必要な電気や光ファイバーケーブルを運ぶための「導管」として機能しているとみられる。「トンネルだけでも、ものすごい数のケーブルがある。建物のバックアップシステムのようなものかもしれない」とガブリゾウスキーは述べている。

ビジネスインサイダーによると、2つのトンネルの出口は、黒海沿岸を見下ろす位置にある、プーチンのクラスノダール宮殿近くに通じている。宮殿と地下トンネルは、深さ約50mまで降下するエレベーターでつながっている。トンネルは地上道路にも通じており、物資の積み下ろしに使われている可能性があるとガブリゾウスキーは指摘している。

この図面は、建設業者Metrostil(現在は閉業)が2010年代初旬に初めて自社のウェブサイトに公開したもので、2016年まで閲覧可能だった。同社はこの施設について、プーチンのために建設されたものであるとは明記しておらず、「クラスノダール・ゲレンジークにある寄宿舎のための地下複合施設」と説明していた。ビジネスインサイダーは、図面に注釈と英訳を付けて再掲載した。


ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米ホリデーシーズンの売上高は約4%増=ビザとマスタ

ビジネス

スペイン、ドイツの輸出先トップ10に復帰へ 経済成

ビジネス

ノボノルディスク株が7.5%急騰、米当局が肥満症治

ワールド

ロシアがウクライナを大規模攻撃、3人死亡 各地で停
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 5
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 6
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 7
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 10
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中