最新記事
世界のニュース50

幸福度ランキング上位の国々で、共通して大量消費されていた「意外なもの」とは?

2023年4月26日(水)19時21分
山田敏弘(国際ジャーナリスト)
幸福度が高い北欧の人々(イメージ画像)

幸福度ランキングでは上位常連の北欧諸国だが…… MASKOT/GETTY IMAGES

<幸福度ランキングで上位の「常連」となっている北欧諸国で消費量が多く、ランキング下位の韓国などでは消費量が少ないとの調査結果が>

国連の持続可能な開発ソリューションネットワークが3月に発表した「世界幸福度ランキング」では、1位のフィンランドを筆頭に、2位デンマーク、3位アイスランド、6位スウェーデン、7位ノルウェーと「常連」の北欧諸国が上位を占めた。

ランキングで評価されるのは心の健康(ウェルビーイング)などで、北欧は福祉が充実しているという点も幸福度を高めているようだ。ただそうした評価の裏には、意外な事実もある。北欧の国々では抗うつ薬の消費が非常に多いのだ。

OECD(経済協力開発機構)29カ国の抗うつ薬の使用量のランキングを見ると、世界トップのアイスランドでは人口1000人当たり146日分の抗うつ薬が服用されている。アイスランドは幸福度ランキングでは3位だ。6位にはスウェーデン(103日分)、9位にはデンマーク(76日分)、10位には幸福度でトップのフィンランド(75日分)が入っている。

逆に、自殺率が世界的にも高いことで知られ、幸福度ランキングでは57位の韓国は、抗うつ薬使用のランキングでは下位の28位(23日分)だった。抗うつ薬の使用量は、アイスランドなど北欧の国に比べて圧倒的に少ない。

抗うつ薬を勧める意図はないが、幸福度に抗うつ薬が作用している可能性は否定できない。この事実をどう受け止めるべきなのだろうか。


20241217issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年12月17日号(12月10日発売)は「韓国 戒厳令の夜」特集。世界を驚かせた「暮令朝改」クーデター。尹錫悦大統領は何を間違えたのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


SDGs
「ステハジ」が描く脱プラ未来...マイボトルでギネス記録、給水が新たな選択肢に
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエルとパレスチナ、米特使訪問でガザ停戦を模索

ビジネス

大韓航空、アシアナ航空買収完了 アジア有数の航空会

ビジネス

豪BHPとリオにセクハラ集団訴訟、秘密保持契約で告

ワールド

米国民、不法移民への寛容度やや低下 収容所使用には
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:韓国 戒厳令の夜
特集:韓国 戒厳令の夜
2024年12月17日号(12/10発売)

世界を驚かせた「暮令朝改」クーデター。尹錫悦大統領は何を間違えたのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 2
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達した江戸の吉原・京の島原と並ぶ歓楽街はどこにあった?
  • 3
    男性ホルモンにいいのはやはり脂の乗った肉?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 5
    ノーベル文学賞受賞ハン・ガン「死者が生きている人を…
  • 6
    韓国大統領の暴走を止めたのは、「エリート」たちの…
  • 7
    「男性ホルモンが高いと性欲が強い」説は誤り? 最新…
  • 8
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 9
    「糖尿病の人はアルツハイマー病になりやすい」は嘘…
  • 10
    統合失調症の姉と、姉を自宅に閉じ込めた両親の20年…
  • 1
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 2
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達した江戸の吉原・京の島原と並ぶ歓楽街はどこにあった?
  • 4
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
  • 5
    男性ホルモンにいいのはやはり脂の乗った肉?...和田…
  • 6
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 7
    国防に尽くした先に...「54歳で定年、退職後も正規社…
  • 8
    「男性ホルモンが高いと性欲が強い」説は誤り? 最新…
  • 9
    朝晩にロシア国歌を斉唱、残りの時間は「拷問」だっ…
  • 10
    人が滞在するのは3時間が限界...危険すぎる「放射能…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中