最新記事

トランプ

トランプ、口止め料より重い機密文書隠匿容疑の捜査も大詰め?シークレットサービス職員数人が近く証言か

Donald Trump's Secret Service agents set to testify against him—Report

2023年4月4日(火)19時20分
イワン・パーマー

マンハッタンの裁判所に出頭する前日、トランプタワーに到着したトランプ(4月3日) Jeenah Moon-REUTERS

<元ポルノ女優への口止め料問題で米大統領経験者として初めて刑事訴追され、4日に裁判所に出頭し、演説するトランプ。支持者の反乱に全米が身構えるなか、はるかに重罪での訴追も視野に入ってきた>

大統領経験者として初めて起訴されたドナルド・トランプ前大統領が4日(日本時間5日未明)、マンハッタンの裁判所に出頭し、その後自宅で演説を行う。その一挙手一投足を、世界が息を呑んで見守っている。

しかしその一方で、元ポルノ女優に口止め料を支払ったというニューヨーク州の今回の疑惑とは別に、はるかに深刻な疑惑、いわばトランプ犯罪の「本丸」とも言える捜査も大きな進展を見せている。機密文書を不正に扱った疑惑をめぐり連邦特別検察官が捜査を進めている件で、複数のシークレットサービス職員が証言を行う予定だと報じられたのだ。

FOXニュースのブレット・ベアー記者は4月3日にツイッターに、前大統領とつながりのある「複数の」シークレットサービス職員が召喚されており、「7日に連邦大陪審の前で証言を行う見通し」だと投稿。これは「マールアラーゴでの機密文書の扱いに関する、ジャック・スミス特別検察官の捜査に関連するもの」だと説明した。

FOXニュースではシークレットサービスの証言について、4月7日に行われる予定だとしているが、それ以上の詳細は報じていない。本誌はシークレットサービスにメールでコメントを求めたが、本記事の発行時点で返答は得られていない。

2022年8月、FBIはフロリダ州にあるトランプの別荘「マールアラーゴ」の家宅捜索を行い、複数の機密文書を押収。トランプがこれらの文書を不適切に扱った疑いと、捜査を妨害しようとした疑いについて調べている。トランプ本人は、最高機密が含まれる文書が自宅で見つかったことについて、違法行為は一切なかったと主張している。

当局者をミスリードするよう指示?

シークレットサービスが召喚されたという報道に先立ち、ほかにもスミス特別検察官による捜査の進展を示唆する情報が報道されていた。

ワシントン・ポスト紙は2日、米司法省とFBIが、トランプが2021年1月の大統領退任後に機密文書を持ち出して手元にとどめておこうとした際に、捜査を妨害しようとしたこと示すさらなる証拠を得たと報じた。

トランプの広報担当であるスティーブン・チェンは声明で、一連の捜査は「事実や法律に基づく根拠がなく」、トランプに対する「魔女狩り」だと非難した。

ワシントン・ポストは匿名の情報源の言葉を引用し、2022年5月に連邦大陪審が召喚状で全ての機密文書の返還を命じた後、トランプが特定の文書を手元にとどめておくために、機密文書が入った箱の幾つかを自ら調べた形跡があったと報じた。

トランプは周囲の人間に対して、機密文書を回収しようとしていた政府当局者らをミスリードするよう命じ、また自身の弁護団に対して、文書は全て国立公文書館記録管理局に返却済みだという声明を出すよう指示したとされている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は反落、前日高の反動売り トヨタ決算は強弱

ビジネス

午後3時のドルは155円前半へじり高、急落時の半値

ワールド

世界の平均気温、4月も観測史上最高 11カ月連続=

ビジネス

米アマゾン、テレフォニカとクラウド契約 通信分野参
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 5

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 6

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 7

    デモを強制排除した米名門コロンビア大学の無分別...…

  • 8

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 9

    イギリスの不法入国者「ルワンダ強制移送計画」に非…

  • 10

    中国軍機がオーストラリア軍ヘリを妨害 豪国防相「…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 8

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中