最新記事

英王室

チャールズ国王はさらなる暴露に戦々恐々「ヘンリー王子との争いから逃げたい」と友人に明かす

2023年1月16日(月)18時50分
佐川恵里子

チャールズ国王は、息子ヘンリー王子の「暴露本」について沈黙を貫いている(1月12日)...... REUTERS/Russell Cheyne

<1月10日に発売されたばかりの息子ヘンリー王子の「暴露本」について、英王室としても沈黙を貫いているため、周囲はチャールズ国王の出方に興味津々だ......>

クラレンスハウスで行われたチャールズとカミラ主催のプライベートディナーに招待されたゲストたちは大いに驚かされたという。

もちろん、1月10日に発売されたばかりの息子ヘンリー王子の「暴露本」についてだ。発売日以来、チャールズ国王は公の場に姿をあらわしたものの、この件についてはノーコメント。英王室としても沈黙を貫いているため、周囲はチャールズ国王の出方に興味津々だ。

怒り、呆れ、悲しみ......様々な心情が渦巻いていると思われるが、チャールズ国王の態度は「息子ハリーの不誠実さについて反論しない」というもの。中傷や軽率な行動、挑発行為に直面しても、ことを荒立てずにやり過ごそうという姿勢らしい。

ゲストに対し、「重要な原則のために戦うよりも、苦しい戦いから逃れることを好んだ」とチャールズ国王が明かしたことを、英デイリーメールが伝えている。

>>■■【動画】トークショーに登場したヘンリー王子

王は息子に屈することの意味

1月15日に報じられた、英王室とヘンリー王子の「和平交渉」の提案について、宮殿の「情報筋」が、国王はこの一週間のハリーの裏切りやごまかしを無視し、自分の誤りを認めて「和解」を求めるかもしれないと述べたが、このような提案は、英国の君主論者に大きな衝撃を与えたに違いない。

ヘンリー王子が、『スペア(Spare)』に掲載しなかった部分が400ページ分あると明かしたことも、近い将来、さらに英王室を貶めるような暴露や非難する内容が露わになる可能性があることを暗に示しているようで、英王室の不安にさらなる追い討ちをかけたと見られる。

ダイアナとの結婚生活、両親との複雑な関係、カミラとの不倫関係など、ヘンリー王子はまだ表面しかなぞっていないことを、チャールズ国王ほどよく知る者はいないだろう。袂を分かった国王は、息子を恐れるに足る理由を十分に知っているのだ。


>>■■【動画】公の場に現れたチャールズ国王の様子

罪悪感からお咎めなし?

チャールズ国王の意志の固さもまた、息子への罪悪感によって揺らいでいる。彼は、ダイアナの死後、本来あるべき父親としての役割を果たせなかったことを十分に自覚している。

週末や学校の休暇中、ヘンリー王子はハイグローブの乳母に預けられ、その間、父親は自分の趣味に没頭したり、カミラと別の家でくつろいでいることがあまりにも多かった。

ヘンリー王子の回顧本の中で最も印象的だったチャールズ国王の言葉は、2021年4月に崩御したフィリップ王配の葬儀の後の一言だ。「頼むから、私の晩年を悲惨なものにしないでくれ」

この一文で、チャールズ国王は自分の弱さをさらけ出した。チャールズ国王は、ハリーとメーガンによって自分の治世が台無しにされることを恐れていたと推察できる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インド中銀総裁「低金利は長期間続く」=FT

ビジネス

シャドーバンキング、世界金融資産の51% 従来型の

ワールド

ロシア財政赤字、2042年まで続く見通し=長期予測

ワールド

スーチー氏の健康状態は「良好」とミャンマー軍政、次
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 7
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 8
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中