最新記事

宇宙

「我々の銀河は1ピクセル!」......20万個の銀河示す壮大な宇宙の地図が作成された

2022年12月29日(木)15時25分
青葉やまと

壮大な「宇宙の地図」が作成された...... Image credit: mapoftheuniverse.net

<科学的に極めて正確。同時に、天文学の専門家以外でも宇宙のスケールを体感できるマップを目指した>

私たちの太陽系が位置する天の川銀河は、最大4000億個ともいわれる恒星がひしめく途方もない空間だ。銀河1つだけでも広大な空間を占めるが、そんな銀河を20万個マッピングした壮大な「宇宙の地図」が誕生した。

この地図は、地球から観測可能な宇宙の一部を扇形にスライスしたものだ。無数の点の一つひとつが銀河を示しており、広大な宇宙空間に銀河が偏在する様子が視覚的に示されている。

地図の様子は、ジョンズ・ホプキンス大学が公開している動画でも確認することができる。コンピューター上に再現されたインタラクティブな地図となっており、視点や縮尺を変えて任意の位置から観察可能だ。

>>■■【動画】圧巻! 20万個の銀河示す壮大な宇宙の地図

私たちの銀河(天の川銀河全体)は1ピクセル

地図を製作したのは、ホプキンス大の天文学者たちだ。過去20年以上をかけて蓄積された観測データをもとに、これまでに知られている銀河の位置を視覚化した。

扇形の最下部の頂点が、わたしたちのいる天の川銀河だ。広大なはずの天の川銀河が、わずか1ピクセルで表現されている。ホプキンス大のブライス・メナード教授(物理・天文学)は動画内で、マップの壮大さを次のように表現している。

「地図上で私たちは、一番下に位置します。私たちは小さな点で、わずか1ピクセルです。ここでいう『私たち』とはつまり、私たちの銀河、天の川銀河全体のことです」

宇宙ポータルのスペース.comはまた、地図に示された点の色に注目するよう勧めている。これらは、各銀河の赤方偏移の量を示している。膨張する宇宙の影響を受け、地球に届くまでに長い距離を旅してきた光ほど、波長が長くなり赤寄りに変化する。

すなわち、地図上で赤に近い色で表現されている星ほど、地球から見て遠方に位置することを意味している。一方、もともとの銀河自体の色味が異なることから、色相の変化と距離とは完全には比例しないことも読み取れる。

デザイナーを交え、天文学者以外でも理解できるビジュアルに

宇宙ポータルのスペース.comは、「驚くほど詳細かつ正確」に既知の宇宙をマッピングした地図だと評している。データ自体はこれまでに得られていたものの、科学的に正確かつ一般の人々にもわかりやすい形で銀河の位置関係を表現した地図はこれまで存在しなかったという。

>>■■【動画】圧巻! 20万個の銀河示す壮大な宇宙の地図

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

モディ印首相、中国との「関係改善に尽力」 習主席と

ワールド

インドネシア大統領、訪中取りやめ 首都デモが各地に

ビジネス

中国製造業PMI、8月は5カ月連続縮小 内需さえず

ワールド

ロシア軍参謀総長、前線で攻勢主張 春以降に3500
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマンスも変える「頸部トレーニング」の真実とは?
  • 2
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 3
    「体を動かすと頭が冴える」は気のせいじゃなかった⋯最も脳機能が向上する「週の運動時間」は?
  • 4
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 5
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 6
    就寝中に体の上を這い回る「危険生物」に気付いた女…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    シャーロット王女とルイ王子の「きょうだい愛」の瞬…
  • 9
    映画『K-POPガールズ! デーモン・ハンターズ』が世…
  • 10
    世界でも珍しい「日本の水泳授業」、消滅の危機にあ…
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 3
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 4
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 5
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 6
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 7
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 8
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 9
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 10
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中