最新記事

ロシア軍

「下の下だ」撤退ついでに公園の遊具まで持ち去るロシア軍を偶然カメラが捉えた

Russians Spotted Stealing Children's Amusement Park Train in Ukraine—Video

2022年11月9日(水)17時29分
ジェラルド・カオンガ

ロシア軍に荒らされ略奪されたチェルノブイリ原発近くのオフィス(4月16日)  Gleb Garanich-REUTERS

<金目のものや家電製品の略奪なら見慣れたものだが、公園のミニ列車まで持ち去るのはさらに下劣と、ウクライナ政府幹部は憤る>

ウクライナに侵攻したロシア軍の兵士たちが、遊園地の遊具である列車を盗んでいくところとされる動画が、ソーシャルメディアで拡散している。ロシア軍とウクライナ軍の激しい攻防戦が続く南部の要衝ヘルソン市でのことだ。

もともとの動画は、TikTokユーザー「alenakherson」が11月6日に投稿したもので、2万5000回以上視聴された。さらにツイッターに拡散されると、視聴回数はのべ20万回を超えた。

【動画】手当たり次第に盗み、持ち去るロシア兵

ウクライナ内務省のアントン・ゲラシチェンコ顧問も、自身のツイッターアカウントで、この動画を共有した。コメントには「ロシア兵は、ヘルソンから子ども用の列車まで盗んだ」とある。

ゲラシチェンコによれば、ロシア兵はすでに18世紀ロシアの名将ポチョムキンの遺骨をヘルソンから持ち出した。洗濯機などの家電製品を盗む光景はもう珍しくもない。だが子供用のミニ列車まで略奪するとは「下の下だ」と、ゲラシチェンコは非難した。

問題の映像は、ロシア軍の車両とは反対車線を走る人物が撮影した。

映像では、ワゴン車が通り過ぎた後、カメラに近づいてくる車列の中に、遊園地で子どもが乗る列車が認められる。

本誌は現時点で、この映像が撮影された時期や場所、さらにはこの乗り物を運転しているのが本当にロシア軍の兵士なのか、独自に確認はできていない。

侵攻直後から略奪開始

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の命によりロシア軍が2月24日にウクライナに侵攻するやいなや、ロシア兵たちの度重なる略奪や窃盗が報告された。

侵攻開始からわずか3日後には、ロシア軍の部隊がウクライナの銀行や食料品店を略奪する様子とされる動画が、ソーシャルメディア上で拡散し始めた。

2月末には、ロシア軍の兵士がウクライナのヘルソン州にある銀行に押し入り、金庫を盗む様子が投稿された。アメリカ人ジャーナリストのアレック・ルーンがコメントで、情報源はウクライナ軍と伝えている。

その後も、現在ロシアに占領されたウクライナの各地域で、ロシア軍の部隊が略奪を行っているとの報告が相次いでいる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

訂正ゆうちょ銀、3月末の国債保有比率18.9%に 

ビジネス

ユーロ圏GDP、第1四半期改定は前期比+0.3% 

ワールド

EXCLUSIVE-米財務省、オーストリア大手銀に

ワールド

焦点:米の新たな対中関税、メキシコやベトナム経由で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 2

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 3

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 4

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プー…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    ロシア国営企業の「赤字が止まらない」...20%も買い…

  • 8

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 9

    ユーロビジョン決勝、イスラエル歌手の登場に生中継…

  • 10

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中